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探偵小説家・小酒井不木原作のショートムービー「安死術」 出身地の愛知県蟹 江町が制作、ユーチューブで公開

探偵小説家・小酒井不木原作のショートムービー「安死術」 出身地の愛知県蟹江町が制作、映画監督・堤幸彦氏が協力 画像1

 愛知県蟹江町(かにえちょう)は、同町出身の探偵小説家で大正から昭和の初めにかけて活躍した小酒井不木(こさかい・ふぼく)を広く紹介しようと、不木のミステリー小説「安死術」(あんしじゅつ)のショートムービーを制作、ユーチューブで公開している。

 「安死術」は大正15(1926)年の作品で「安楽死」を意味する。映画「悼む人」や「人魚の眠る家」などで知られる映画監督・堤幸彦氏の協力で約14分の本編を制作した。原作より約30年後の蟹江町を舞台に設定。「病気の苦痛を取り除くには安死術が必要」という信念を持つ若い町医者のところに、自分の息子が瀕死(ひんし)の状態で運ばれてくる―というストーリーで、人間が持つ弱さや運命の皮肉さなどを描いた作品だ。

 蟹江町によると、小酒井不木は明治23(1890)年生まれ。昭和4(1929)年に38歳で死去するまで、探偵小説家として江戸川乱歩など後輩の育成に尽力したという。「安死術」は、医師でもあった不木の医学知識が反映された独特のミステリー作品で、ショートムービーについて、堤氏は「およそ官公庁が作ったとは思えない作品だ」と話しているという。

 蟹江町は、功績に対して知名度が低い小酒井不木の魅力を発信するため、ショートムービー事業を展開。第1弾として2019年に「死体蝋燭(ろうそく)」を制作。「安死術」は第2弾だ。同町は「ミステリーの町・蟹江町」としてシティープロモーションにも活用しようと第3弾も計画しているという。