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トランスジェンダーは乗客じゃないの? 英国の列車アナウンスで議論

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 「ご乗車のみなさま」というアナウンスが一般的な日本では、少なくともこの言葉に関して問題になることはなさそうだが、「レディーズ&ジェントルメン」という英語圏では、トランスジェンダーの乗客が含まれない、という異議が出る。英国の鉄道、ロンドン・ノース・イースタン・レールウェイ(LNER)で、「ご乗車ありがとうございます」の車内アナウンスで使われてきた乗客を意味する、この呼称が問題になっている。

 メトロ・ニュースなど各メディアが伝えたところでは、車掌が「こんにちは、レディーズ&ジェントルメン、ボーイズ&ガールズ」と成年男女、少年少女を意味する呼称をまじえて車内挨拶をしたところ、ツイッター上で、この4つのカテゴリーに含まれない人もいるという批判が出た。これに対しLNERは「大変申し訳ありません」と謝罪。「こういう言葉を使うべきではなく、ご指摘に感謝します」と返答した。

 ツイッター上では、謝罪した鉄道会社側をたたえる書き込みがあがる一方で、「ごく普通の車内アナウンス」「どんな立場でも構わないが、こういうナンセンスはやめないか」と“言葉狩り”を非難する書き込みもあった。また「これがだめなら、ほかにどうアナウンスすれば?」と長年の慣習を変えることに疑問を呈する声も。

 もっともロンドンの地下鉄では、2017年にこの性別が含まれたアナウンスをやめており、「“みなさま”(everyone)、おはようございます」などと変更されている。

 この議論は、欧州の他国でもさまざまな形で話題になっている。フランスでは、国鉄で乗車券購入の際に性別にチェックを入れる欄があることが改めて問題になり、「乗車券の購入に性別は無関係」と批判されている。オランダやドイツはその点“先進的”で、身分証の性別欄が2024年から消滅する予定だ。