カルチャー

ただ普通の生活を望んでいただけなのに… 『家族全員 精神病! ゲーム依存・引きこもり・働かない子供』

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 普通に結婚して、普通に子どもを育て、ただ普通の生活を望んでいただけなのに…。長男が統合失調症・強迫性障害・機能性視覚障害、次男は知的障害・ゲーム依存症・強迫性障害と診断され、父と母は子どものサポートに追われていく。家族の関係性がギクシャクしていくなか、父と母も体調を崩していき、ついに「不安障害」と診断されてしまう――。家族を襲った負の連鎖を当事者が描いたノンフィクション『家族全員 精神病! ゲーム依存・引きこもり・働かない子供』 (玄武書房、税込み990円)が発売された。

 精神疾患の発症は必ずしも生活習慣や環境によらず、唐突に発症することもあるという。誰もが大小の不安を抱える昨今。心が不安定になることは決して他人事ではない。しかし当事者である筆者は、ただ悲観しているわけではなく、現状を理解して対応することで前向きに状況改善に取り組み続ける。普通の生活ができなくなっていく家族の様子から、精神病という「病」との向き合い方の難しさを感じさせる一方で、家族全員が苦しみながらも支え合いながら生きていく絆を感じられる一冊となっている。