SDGs

【この人に聞く!】“わたしらしく生きる”ために 「明日わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた小林味愛さん(2)

「明日わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた小林味愛さん。
「明日わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた小林味愛さん。

 Part1に引き続き、国家公務員から一転、地域課題の解決のために起業した「陽と人」の代表取締役・小林味愛(みあい)さんをご紹介する。

 今でこそ“未利用資源”や“余っている食材”の有効活用はよく聞くようになったが、小林さんが農家に規格外の果物を分けてほしいと最初に声をかけた時、農家自身が「規格外なんて売れないだろう」という反応だったという。しかし、福島県国見町の魅力に惹(ひ)かれた小林さんは、同時にビジネスチャンスもあると確信。一から物流や販路を開拓し、以前は規格外という理由だけで廃棄されていた果物の販売に成功する。

 「伊達郡国見町は自然が豊かで、桃・アスパラガス・ぶどうなど多くの農産物を生産している。中でもあんぽ柿という干し柿が有名だが、手間ひまがかかるわりには値段が高くなく、なかなか農家の所得向上にはつながっていなかった」と小林さんは話す。そこで柿に目をつけた小林さんは、摘果(てきか)という剪定(せんてい)作業でつまれる熟す前の緑の柿や、あんぽ柿を作る過程でむかれる柿の皮などの資源を活用しようと試行錯誤を重ねる。その結果、柿の皮には多くのポリフェノールが含まれていることを突き止める。既存商品では柿渋を使ったせっけんがあるが、柿渋せっけんは通常、摘果された緑の柿を使用していることが多い。「柿の皮を原料にせっけんを作ったのは私たちが初めて」と自信を覗かせる。

福島県国見町のあんぽ柿。
福島県国見町のあんぽ柿。

 2017年に「陽と人」を設立した小林さんは、2020年1月に女性のデリケートゾーン専用のケア商品ブランド「明日わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げる。現在のラインアップは、「フェミニンウォッシュ」「フェミニンオイル」「フェミニンミスト」「フェミニンミルク」「フェミニンセラム」の5種類。中でも、デリケートゾーンを保湿するための「フェミニンオイル」(30ml入りで税別4,000円、約3カ月分)は、“循環型ものづくり”“女性のエンパワーメント”“地域での雇用創出”を実践しているとして、2020年の「サスティナブルコスメアワード」(主催:MOTHER EARTH)でSILVER賞を受賞している。

 「サスティナブルコスメアワード」でSILVER賞を受賞した時の様子。(一番右が小林さん)
「サスティナブルコスメアワード」でSILVER賞を受賞した時の様子。(一番右が小林さん)

 では、なぜデリケートゾーンなのか。その理由は小林さん自身の辛い経験がもとになっている。その詳細についてはpart3でお伝えする。

東京・恵比寿の店舗で販売されている「明日わたしは柿の木にのぼる」の商品。
東京・恵比寿の店舗で販売されている「明日わたしは柿の木にのぼる」の商品。