カルチャー

“撮れたて”笑顔に出会える写真展  映画「浅田家!」モデルの浅田さんが高知の魅力を撮りまくり!

トークイベント後に開かれた、浅田さんの撮影会で、飛び上がったポーズを取る土佐市観光協会のメンバー。
トークイベント後に開かれた、浅田さんの撮影会で、飛び上がったポーズを取る土佐市観光協会のメンバー。

 太平洋に面した土佐高知は「海の県」のイメージが強い一方、四国山脈に囲まれ、「山の県」という顔もある。高知県では、ソウルフードの「カツオのタタキ」や、四万十川の清流がはぐくんだ「アユ」、全国1位の生産量を誇る「ユズ」など、海や山や川のめぐみを堪能することができる。 

 そんな高知県に暮らす、40143人の個性豊かな「土佐人」の笑顔を、映画「浅田家!」(二宮和也主演)のモデルとして知られる、浅田政志さん(42)が撮影した 

 浅田マジックともいえる浅田さんのテクニックで、被写体の魅力的な笑顔を引き出した、撮(と)れたて作品を味わえる写真展が、高知会場8695金高堂本店=高知市帯屋町)、東京会場8695高知県アンテナショップ「まるごと高知」=東京都中央区銀座)、岡山会場(813819、岡山駅前商業施設「イコットニコット」=岡山市北区で開催中だ。いずれの会場も無料。

トークイベントで話す浅田さん。
トークイベントで話す浅田さん。

 

「いつか高知へ」 

 今回の企画は、高知県が県観光キャンペーン「リョーマの休日」の一環として、高知の人たちの魅力をもっと知ってもらいたいと、三重県津市出身の浅田さんに撮影を依頼。今年2月に5日間、4月に5日間、県内の観光施設などを訪れた。作品には、坂本龍馬記念館で龍馬像と同じポーズを取ったり、桂浜水族館前で同僚らとトランプに興じたりする姿などが収められ、浅田さんにしか撮れない一瞬のドラマを笑顔で鑑賞できる。 

  高知県の担当者は写真展について「コロナ禍を生きるみなさんに、高知県の人の笑顔がつかの間の安らぎを与えてくれることを願うとともに、ご覧になった方々が、『いつか高知に行きたい』と感じていただけるような企画にした」と話す 

  40組の写真は、県キャンペーン特設サイトで見ることができる。 
https://kochi-experience.jp/holiday-guide/ 

  浅田さんは「限られた撮影日数でしたが、どの日も天候に恵まれました。高知の人は、オープンな方が多い。撮影時には、どんどん私に提案をしてくれて、一緒に撮影しましょう、という思いが伝わった」と振り返った。 

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高知の人は「全開でした」  

 写真展の開催に合わせ86日、高知県立牧野植物園(高知市五台山)で、浅田さんと今回、被写体となった3組の方とのトークイベントが開催された。この日集まった約40人の聴衆を前に、浅田さんは撮影時のエピソードなどを披露し、会場から笑いを誘った。当日のトークセッションの様子はYouTubeでも配信された。 

  まず登場したのが、トークイベントの会場になった高知県立牧野植物園の職員、藤井聖子さんだ。高知県出身で、「日本の植物分類学の父」と呼ばれる、牧野富太郎博士の偉業を顕彰する植物園では、約3,000種類以上の植物と出会える。 

 関西出身の藤井さんは「植物が好きすぎて高知に来ましたと自己紹介をした。 

 浅田さんは、そんな植物愛が強い藤井さんを撮影した時、「毎日話しかけるように世話をしていると聞きました。ランに『おはよう』とあいさつしているカットに決めました」と裏話を披露した。

 

 

 次に登場したのが、四万十川ジップラインの管理者、上村嘉郎さん。高知県の西部を流れ、日本最後の清流ともいわれる四万十川中流域にある道の駅「四万十とおわ」に、ジップラインがある。高さ約20メートル、全長約220メートルのワイヤーを滑降し四万十川を体感できるという。 

 浅田さんが「撮影時はぶら下がっていただき、しかも、こいのぼりも持っていただき、大変でしたね」と話すと、上村さんは「逆さづりでの撮影でしたが、終わった後は、『やった!』という感じでした」とうれしそうに語った。 

 


 

 最後に登場したのが、高知県大豊町のギャラリー夢来里(むらざと)の運営者である、都築一久さん、将子さん夫婦だ。都築さんらは、耕作放棄地を10年以上かけて少しずつ開拓し、東京ドーム1個分くらいの広さに植物を植えている。 

 浅田さんは「夢来里は花や植物が多く、自然がいっぱいです。人情家も多く、リピーターがとても多いのです」と魅力を語った。これに対し、絵も描く将子さんは「夢来里のファンが増えて、私たちも力をいただいており、その力でまた広げていきたい」と意気込みを語った。

 

 この日のトークイベントの締めくくりとして、浅田さんは、高知の人の印象を、「全開でした」と書かれたフリップで説明。「撮影させていただき、自然の豊かさもそうですが、とにかく人が印象に残っています。オープンな方が多いと感じました。表情の豊かさを引き出すために、高知の人と一緒に写真を撮りたいと思っていました」と語った。 

  その上で浅田さんは「10年、20年後に見返した時、『コロナ禍で頑張っていたな』と見返せるものを撮りました。県外の方には、コロナ禍が落ち着いたら、高知の人に会いに来てほしいです」と呼び掛けた。 

 

 

 

 

 

浅田 政志(あさだ・まさし)さんプロフィール 

 写真家、1979年三重県生まれ。日本写真映像専門学校研究科を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立。2009年、自身の家族で消防士や病院患者などさまざまな姿に扮し撮影した写真集「浅田家」(2008年赤々舎刊)で、「写真界の芥川賞」とも呼ばれる第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した。2020年に、著書の「浅田家」「アルバムのチカラ」(2015年赤々舎刊)をベースにした映画「浅田家!」が公開された。