カルチャー

増上寺の屋根瓦がチタン材に総ふき替え 国内最大規模の6万枚

チタン成型瓦に葺き替えた増上寺大殿
チタン成型瓦に葺き替えた増上寺大殿

 お寺の瓦屋根は、歴史の重みを感じる風情ある姿だ。東京タワーに隣接する増上寺大殿の屋根の総ふき替えには、本瓦そっくりな風合いのチタン成型瓦が使われた。金属加工技術の進歩が、地震や台風の被害にも強く、見た目も変わらない屋根に貢献している。

心木を使わず、内部腐食を防ぐ構造
心木を使わず、内部腐食を防ぐ構造

 まもなく建立50年を迎える大本山増上寺。大殿屋根の総ふき替えは、戦災で焼失し1974年に再建されてから初めてだ。使われたのは「本瓦棒元旦チタン成型瓦」(元旦ビューティ工業・神奈川県藤沢市)で、施工面積は4,235平方メートル、約6万枚のチタン成型瓦の屋根ふき替えは、国内最大規模だそうだ。

「特許バッキング工法」 約6万枚・チタン成型瓦の施工
「特許バッキング工法」 約6万枚・チタン成型瓦の施工

 厚さわずか0.3㎜のチタン材だが、高精度な加工技術と成型によって、改修前の本瓦の風合いを再現している。参道から見上げる大殿屋根は本瓦と変わらない仕上がりだ。屋根を軽量化することで、建物の負担を軽減し耐震性が向上。従来の本瓦屋根と比べて約10分の1の軽量化を実現した。また、結露水を外に排出する構造で腐食を防ぎ、木材やくぎ・ビスを使用しない施工法で強度を維持。地震や台風による屋根の飛散も防ぐという。

増上寺大殿 竣工 2021年10月29日 (本瓦棒元旦 チタン成型瓦)
増上寺大殿 竣工 2021年10月29日 (本瓦棒元旦 チタン成型瓦)