カルチャー

東京で⽯州⽡PRイベント 1⽉21・22⽇、⽯州⽡⼯業組合

石州瓦の重厚な商家が連なる吹屋集落の町並み(岡山県)。
石州瓦の重厚な商家が連なる吹屋集落の町並み(岡山県)。

 古代ギリシャの自然哲学者は、水に始まり、さらに火、空気などを「万物の根源」と考えた。これに“土”を加えて水・火・空気・土を万物の根源とする「4元素」説を唱えたのはエンペドクレスだ。

 同時代(紀元前5世紀)の歴史家ヘロドトスは「エジプトはナイルのたまもの」と言い、豊かなエジプト文明はナイル川の氾濫でもたらされる養分豊かな“沃土”の上に築かれたと指摘している。古代人の土への関心は高かった。

 むしろ農村人口が減り土離れ著しい現代人のほうが土への関心は低いかもしれない。とはいえ、コロナ禍でベランダ園芸や家庭菜園レベルの土いじりは人気。家の中に目を凝らせば、茶碗や皿、急須などの陶器類など生活必需品の一部は土と無関係ではない。散歩中、スマホから目を離して上を見れば、住宅街では粘土瓦の屋根の1つや2つは見つかるはずだ。

 土は千変万化する。農作物を育てる「土壌」としてだけでなく、姿、形を変えて現代人の生活を彩り、支えてくれる。

 粘土瓦には、良質の土が欠かせない。粘土瓦の日本三大産地の一つに数えられる島根県の「石州瓦」は、200万年前に堆積してできた地元島根県西部地方の良質な陶土の上に花開いた。1200~1350度の高温で焼成できる土で、潮⾵や凍結、台⾵などに強く、丈夫な⽯州⽡を生み出す“源”だ。

 独特の赤茶色の色合いも、島根県東部の出雲地方でとれる「来待石」で作られた「来待釉薬(きまちうわぐすり)」を使って生み出される。⽯州⽡は地元の土、石と切っても切れない関係にある。

 この⽯州⽡の良さを多くの人に知ってもらおうと、⽯州⽡⼯業組合(島根県江津市)は、⽯州⽡のほか、⽯州⽡の粘土で作ったタイル、⾷器など約30種類の⽯州⽡製品群を展示するPRイベントを1⽉21~22⽇、東京都渋⾕区の代々⽊上原駅近くのギャラリー「などや」で開く。入場無料。

 製品のほか、石州⽡に使う⼟や⽯、工芸瓦に使うへらなどの道具も併せて展示し、実際に手に取ってもらう。来場者が石州⽡製造の世界を“体感”できる場にする。そのほか、会場のモニターに、石州瓦の製造工程を撮影した映像を放映する。⽯州⽡⼯業組合の佐々⽊啓隆さんは「石州瓦が、そもそもどんなモノから、どうやって作られるかを、多くの人に知っていただけるイベントにしたい。多くの人に足を運んでいただきたい」と来場を呼びかけている。