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「企業は社会の公器である」 障がい者雇用を支えるオムロン太陽が創業50年

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 オムロン太陽(大分県別府市)は、今年4月8日で創業50周年を迎えた。「企業は社会の公器である」を掲げた、親会社オムロンの創業者・立石一真氏の信念の下、オムロンが社会福祉法人太陽の家(大分県別府市)との共同出資で1972年に“福祉工場”として設立した。

 太陽の家創設者の中村裕医学博士は「世に身心障がい者はあっても、仕事に障がいはあり得ない」という理念を持ち、立石一真氏の信念に共鳴したという。現在社員72人のうち33人に身体・知的・精神の障がいがある。オムロンの主力製品である制御機器用のソケットや各種スイッチ、センサーを生産している。

 創業以来、一人一人の障がいに対応した配置や製造工程の自動化、治具を使った工程の見直しなどさまざまな工夫・改善を重ね、障がいの有無にかかわらず、誰もが働ける職場・環境づくりに努め、社員一人一人の個性や能力を存分に引き出してきたという。改善提案件数は2011年度からの10年間で1361件に上る。工場見学者も多く年間約2千人の工場を訪れている。

 オムロン太陽の立石郁雄社長は「人間性の尊重と最もよく人を幸福にする人が最もよく幸福になる、というのが創業者の思想。オムロン太陽は、障がい者雇用の先駆者として、これからも人と技術の全てが融和した、真の共生社会づくりを先導する」とコメントした。