カルチャー

「ごお・さん・とお」の時刻表を復刻 特急時代の幕開けの歴史

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 旧国鉄が昭和53年10月に行った白紙ダイヤ改正をあらわす通称「ごお・さん・とお」。この時代の姿が蘇る『時刻表復刻版 1978年10月号』(JTBパブリッシング・東京、税込み1,980円)が発売された。乗りたい時間、着きたい時間をピンポイントで探してネットでチケットを購入する現代、数字が並んだ時刻表になじみのない人も多いが、一覧性のある時刻表をながめて紙上の旅も面白いし、当時の様子を思い浮かべてみるのも一興だ。

表紙カバー付、新規制作の解説ページも収録
表紙カバー付、新規制作の解説ページも収録

 月刊誌『JTB時刻表』の前身、『交通公社の時刻表』。その1978年10月号の内容を、広告を除き当時のまま掲載している。急行から特急への昇格やエル特急の増発をはじめ、新型特急列車381系振子式電車「くろしお号」の登場など、当時の国鉄を象徴する大改正「ごお・さん・とお」の姿を再現。鉄道だけでなく、バス・航空の当時の時刻をそのまま見ることのできる、資料としても貴重な一冊だ。

 また、注目のポイントを『JTB時刻表』編集長で、現在は鉄道ライターなどとしても活躍する木村嘉男氏が解説。より興味深く楽しめる一冊になっている。