コロナ禍でご無沙汰だったものが、少しずつ帰ってきている感がある。愛知県奥三河地方でおよそ700年の歴史を誇る神楽「花祭」の公演が6月11日、2年ぶりに東京の国立劇場で上演される。国指定重要無形民俗文化財を、本場に近い雰囲気で体感できるチャンスだ。
「花祭」は、太陽の力が一番なえる時期に八百万(やおよろず)の神々を勧請(かんじょう)し、その力を復活させて無病息災や豊作を祈念する神楽。険しい山で修行を積んだ修験者からもたらされたといわれている。幼児から青年、壮年まで年齢層によって演じる舞が決められていることや、観客(せいと衆)が舞と一緒になって踊ったり、はやし立てたりすることも祭りの一部になっているのが特徴だ。
公演は、神楽の祭場としての場の清めから始まり、神迎え、宮人の舞、青年の舞、子供の舞、鬼の舞、禰宜(ねぎ)や巫女(みこ)や翁(おきな)などによる神々への祝福、湯で清める湯ばやしや神送りまで、休むことなく一昼夜をかけて繰り広げられる祭礼を二部に分け、両方を見ると、祭礼のひと通りの流れが分かる構成になっている。
各回、税込み4,200円 学生2,900円 ※障害者の方は2割引。全席指定。