カルチャー

少しだけ本場の雰囲気に触れられた! リバプールが1日サッカー教室、名古屋市で

ノアの竹内代表(左)とニクソン・コーチ。
ノアの竹内代表(左)とニクソン・コーチ。

 サッカーの母国イングランドの名門、リバプールFCが、小学生の子どもたちに教える1日サッカー教室が5月29日、名古屋市で開かれた。チームのメソッドに基づき、基礎練習に加え、ミニゲームも採り入れられ、飽きがこないように工夫されている。時間はあっという間に過ぎたが、子どもたちは少しだけ本場の雰囲気に触れ、改めてサッカーの楽しさを知った。

募集150人に900人が応募

 リバプールは日本代表の10番、南野拓実が所属するチームだけに人気は抜群。150人の募集に対し、約900人の応募があり、抽選で参加者が選ばれた。会場はビル屋上の、屋根付きの人工芝フットサルコート。1年生、2年生、3年生、4年生、5・6年生の5クラスに分かれて行われた。ドリブルやフェイント、キープなど教える技術は基本的に同じだが、1対1で競わせることがベースになっている。リバプールFCインターナショナルアカデミーのエリス・ニクソン・コーチが、英語で指示を出し、通訳する日本人コーチの指示も、短くて速い。それでも子どもたちは何となく理解できるようで、素早く対応していた。

ドリブルの手本を示すニクソン・コーチ。
ドリブルの手本を示すニクソン・コーチ。

世界への扉開くきっかけに

 5年生の三宅央恭さん(10歳)は「1対1で勝つことの積み重ねが、チームの勝利につながると教えてくれた。普段とはちょっと違うサッカーで、すごく楽しかった」と満足そうで、見学していた父の克佳さんも「本場のメソッドに触れ、世界への扉を開くきっかけになれば」と感想を話してくれた。女子が多いのも特徴で、田崎聖さん(8歳)は「お父さんに勧められ応募した。練習のやり方も普段と違い、楽しかった」という。親に勧められて応募したという参加者が多く、リバプールという名前に敏感に反応したのは親の方だったのかもしれない。

 会場内では、父兄を対象にプロのスポーツトレーナー、脇田圭一郎さんによる、体を動かすことのワンポイントセミナーと相談コーナーも設けられた。「全力で走るためには、どう指導したらいいのか」など、親の役に立つテーマが教えられていた。

全国の自治体も関心

 今回の1日教室は地元の一般社団法人ノアが主催し、株式会社Shiprichが協賛した代表理事の竹内広大さんは「リバプールが名古屋に初上陸、このイベントを開催できたことは誇りです。コロナ禍の中、子どもたちも記憶に残る1日になったでしょう」と総括した。2016年に来日以来、首都圏を中心に活動しているニクソン・コーチも、午前9時から夕方5時まで指導したのは初めてという。「タフな1日だった」と言いながらも「子どもたちが何かを啓発され、持ち帰ることができれば幸せ。私の使命はリバプールFCの理念を広めファンを増やすこと」と〝伝道師〟らしい言葉。

 新型コロナの感染拡大で、子どもたちが思い切り走り回るような行事が最近、開かれていなかった。今回の開催関係者によると、女子も参加しやすいサッカーで、しかも世界的に有名なチームの1日教室には、多くの自治体が関心を示しているという。

参加者には修了書を授与。
参加者には修了書を授与。