社会

コロナ禍の“ハイブリッド活動”に手応え 初の対面会見で、進藤JAPIC会長

記者会見する進藤孝生JAPIC会長
記者会見する進藤孝生JAPIC会長

 北海道と本州をつなぐ「津軽海峡トンネル構想」など日本の将来を見据えた重要なインフラ整備構想の提言や、構想実現の機運醸成活動に取り組む、一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(東京、JAPIC)の進藤孝生会長は6月1日、東京都内で2020年の会長就任後初の対面での記者会見を開いた。

 新型コロナウイルス禍で対面の活動が制限された2年間の苦労を振り返りつつ「ズームやウェブの活用で予想以上、期待以上に我々の主張を多くのみなさんに伝えることができた」と語り、オンラインを併用した“ハイブリッド活動”への手応えを示した。

 進藤会長は、ハイブリッドの成果の一例として、JAPICが都内の経団連会館で今年3月開いた重点提言を説明するシンポジウムを挙げ、「会場参加300人、ウェブ参加900人だった。1,200人が会場に実際集まるシンポを開くとなると大変だ」とした上で「コロナ禍の逆境で始めたウェブを活用した2年間の取り組みは、我々のプロジェクトの考え方を多くのみなさんにお伝えし、プロジェクト実現の機運を醸成するという意味では、それなりの効果を上げ、決してコロナ禍以前の取り組みに比べて、劣っていたわけではない」と強調した。

 併せて、進藤会長はウェブを活用したリモート活動の限界にも言及し、組織の一体感やチームワークの形成、微妙な表情のコミュニケーションを重ねてコンセプトを高め合う議論形成など、リモートの“不得手な点”を指摘した。

 コロナ収束後に再開が見込まれる、JAPICの海外先進プロジェク視察の候補地に関しては「個人的にはバイデン米大統領が大規模歳出案を打ち出した米国を見てみたい」と話した。JAPICは現在、米国や欧州先進諸国のほか、人工知能(AI)の導入など技術的進化が著しいシンガポールといったアジアの空港などを視察候補地として検討している、という。

 進藤会長の記者会見に先だって、JAPICの定時総会・臨時理事会が開かれ、進藤会長の再任と、みずほフィナンシャルグループ取締役会長の今井誠司氏と三菱商事代表取締役会長の垣内威彦氏の副会長新任などを決めた。