ビールがおいしい季節になり、梅雨明けが待ち遠しいという人も多いだろう。昨年まではコロナ禍でビアガーデンの開催を中止したり、予約制にしたりといったところがあったが、今夏は各地で3年ぶりに本格実施されるとみられている。
東京都内では、東急田園都市線・二子玉川駅に隣接する大型商業施設「二子玉川ライズ」(東京都世田谷区)の中央広場にビアテラス「PREMIUM BEER TERRACE FUN GRILL & TO GO!」が5月20日にオープン。早くも換気の必要がない屋外でビールを楽しむことができるとにぎわっている。
二子玉川ライズのビアテラスは2018年から毎年開催し、今年で5年目。日本初上陸でライズに出店しているスペイン王室御用達のスペイン料理店「マヨルカ」がプロデュースする料理を提供しているのが“売り”だ。
今年はビアテラス用に考案された豚肉の塊を焼き上げた「プルドポーク」が目玉メニューとして登場。併せてサントリーの糖質ゼロビール「パーフェクトサントリービール」の樽(たる)詰めを味わうことができるビアガーデンだとPRしている。
近年の健康志向を背景に、糖質ゼロが注目されているが、ビールを糖質ゼロにするのは技術的に難しいという。ビールは酒税法で麦芽を50%以上使うことが決められているが、サントリービールのマーケティング本部プレミアム戦略部・三谷京平課長は「50%以上にすると糖質が増えてしまう」と説明する。
三谷氏によると、サントリーはザ・プレミアム・モルツで培った醸造技術を使って「糖質ゼロビール」を開発し、2021年にパーフェクトサントリービール(PSB)を発売。今年1月には深いコクが出るというダイヤモンド麦芽を増量したリニューアルで再展開している。
3年ぶりのビアガーデン本格実施が期待される。
サントリーは、家庭用に加え、今年は業務用の需要が回復すると見込んで料飲店向けにこれまでの10リットル樽に加え、6月からPSBの20リットル樽を投入。夏のビール需要に対応する考えだ。
二子玉川ライズのビアテラスは、10月10日まで連日営業。ノンアルコールやSNS映えするドリンクなども用意しており、ビアガーデンの復活に期待している。