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ハラール市場は2025年までに約375兆円に成長 矢野経済研究所がセミナー開催、専門家が拡大を予測

ハラール市場は2025年までに約375兆円に成長 矢野経済研究所がセミナー開催、専門家が拡大を予測 画像1
矢野経済研究所×DinarStandard 「日本と世界のハラール市場2022」

 

 矢野経済研究所(東京都中野区)は、米国とアラブ首長国連邦(UAE)に拠点を置く調査・経営コンサルティング会社DinarStandardと共同でこのほど、イスラム法を順守する製品・サービス市場「ハラル(ハラール)市場」についてのオンラインセミナーを開催。「ハラール市場は2025年までに約375兆円に成長する」などとする見通しを示した。

 同研究所によると、セミナーは「日本と世界のハラール市場2022」と題し、日本、米国、ドバイ、インドネシアを結んで行われ、世界のハラール市場の現状と成長性、日本企業の事業可能性について発表。各国から輸出入を手がける商社など関係者が参加した。

 セミナーではDinarStandardの共同経営者リーム・エル・サファキ氏が、同社発行の「世界イスラム経済レポート2022」を基に最新の世界市場の動向について「新型コロナ禍により大きな打撃を受けたハラール市場は、2021年には観光産業以外はコロナ禍前の水準に回復した」と報告。2021年の世界のハラール市場規模は2.0兆ドル、2025年までに年平均成長率7.5%で2.7兆ドル(約375兆円)に成長するとの見通しを明らかにした。

 また、ハラール市場の成長をけん引する消費グループとして、特に(1980年以降に生まれた)ミレニアル世代と(その次の)Z世代が今後注目されるとの認識を示した。

 インドネシア政府公認のハラール認証監査員の教育認定機関であるLSP MUIのヌル・ワヒッド氏は「ハラール市場はアジア、中東、アフリカの新興国だけでなく、先進国でも市場は拡大しつつある」と指摘した。

 こうした流れを受け、矢野経済研究所は「ハラール市場は世界全体で拡大しており、日本企業にとっても大きな事業可能性がある」として、市場調査や日本企業向けの研修などのサービスを提供するとしている。