カルチャー

大川組子、博多曲物、八女の漆塗り・・・ 全国の伝統工芸士とのコラボと地方創生を目指す空気清浄機

大川組子とコラボした伝統工芸シリーズ
大川組子とコラボした伝統工芸シリーズ

 ウィズコロナ時代の経済変化に対応し行われる、企業の新分野転換や事業再編。ディスポーザー製造大手のフロム工業(福岡県中間市)は、コロナ禍よる受注激減がきっかけとなり、伝統工芸士とコラボした照明型の空間除菌脱臭機「fuie(フイエ)」で空気清浄機分野に新規参入を図った。

 fuieを開発した同社代表取締役の尾畑宇喜雄さんは、ある日、カステラが入った木箱を見て、これまでのモーター技術を生かし、木や紙を使った空気清浄機が作れないかと伝統工芸の技術とコラボした空気清浄機を思いついたという。その後、福岡県大川市の伝統工芸・大川組子を取り入れたデザインをきっかけに八女の漆塗り、博多曲物、高取焼などを取り入れた製品を販売すると、国内の伝統工芸士からのオファーが続いたという。

博多曲物とコラボした伝統工芸シリーズ
博多曲物とコラボした伝統工芸シリーズ

 fuieの心臓部にあたるエアクリーナーは、次世代型超高感度室内光対応型光触媒(酸化チタン)を使用している。 LEDの光にも反応する光触媒は、ペットなどの臭いを分解し、ウイルスを不活化することができるという。

 また、この次世代型光触媒には、九州工業大・横野照尚教授が開発した柱状の酸化チタン(Dr.OHNO)を使用する。柱状粒子の表面の別々の場所で還元反応が起こるため、一般の光触媒と比べて約4倍の分解性能を発揮するという。さらに6社の市販製品と比較した気体中の菌数調査では、浮遊する総菌数の減少率はfuieが最も高かったという。

大昆虫展で展示中のオリジナル彫刻モデル
大昆虫展で展示中のオリジナル彫刻モデル
大昆虫展で展示中のオリジナル彫刻モデル
大昆虫展で展示中のオリジナル彫刻モデル

 また同商品は、東京都杉並区に6月にオープンしたオフィシャル専門ショップ「fuie studio Tokyo」で展示販売しているほか、東京・墨田区で開催中の「大昆虫展 in 東京スカイツリータウン」で昆虫モチーフのオリジナル彫刻モデルも展示されており、消臭性能なども確認できる。