カルチャー

涙と笑いの介護あるある 認知症の理解を広げる一冊

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 高速道路を自転車で爆走、消えたおせち料理、スーパーで万引き・・・。介護の現場で起きる数々の事件は、65歳以上の6人に1人が認知症といわれる今、他人ごとでは済まされない。認知症になるとどうなるのか、どうすればいいのか。特別養護老人ホームを運営する柴谷匡哉さんの『施設長たいへんです、すぐ来てください! 認知症『介護現場』の事件簿』(飛鳥新社・東京)が発売された。

 柴谷さんは、大阪で特別養護老人ホームやケアハウス、グループホームなどを運営。自ら社会福祉士、介護福祉士、ケアマネージャーとして福祉介護の最前線で活動している。その特養ホームには、アジアで最高齢、世界で4番目の長寿である巽フサさん(115歳)が入居している。

著者の柴谷氏と日本最高齢の巽フサさん
著者の柴谷氏と日本最高齢の巽フサさん

 介護現場から伝わる認知症のエピソードは、涙あり、笑いありの「介護あるある」。老人ホームで起きるそれらの“事件”の犯人は、すべて「認知症」だ。高齢化社会では、誰もが無関係ではいられないできごとへの理解を広げる一冊だ。税込み1,500円。