社会

給湯器の欠品、いまだに解消遠く 相談は前年比1.5倍

新設した物流倉庫の在庫状況
新設した物流倉庫の在庫状況

 米中経済摩擦やコロナ禍、そしてウクライナ危機を背景に、半導体不足の影響は広がり続けている。新車を購入しても納車はかなり先、というような話は枚挙にいとまないが、給湯器の交換ができない、という嘆きも相変わらず。壊れる前に換えておこう、という自衛意識も働き、給湯器の交換依頼は今夏、前年比145.6%と大幅に伸びたという(交換できるくん・東京)。

 昨年に社会問題化した給湯器の欠品はいまだに続いており、機種によって最長10カ月待ち。納期のめどが立たないものも少なくないのだそうで、同社の7月の給湯器に関する問い合わせは、前年同月比179.2%と急増した。屋外に設置され目立たない給湯器はこれまで、お湯が出なくなるまで使い続けることが多かったが、コロナ禍で買い替えサイクルが変わりつつある。

 給湯器の最も多い故障原因は凍結だといい、お湯と外気の気温差によっても故障のリスクが上がるため、冬場への備えは必須。同社は7月に倉庫を増床移転して2.6倍に拡張。生産が安定したモデルの給湯器を積み増して冬場に備えているそうだ。