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「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」が開館 福井・戦国城下町のロマン体感

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福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館 「基本展示室」

 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(愛称あさみゅー、福井市)がこのほどオープンした。開館記念の特別展「発掘調査の歩み」も開かれている。博物館は「戦国城下町の歴史ロマンを味わってほしい」と来館を呼びかけている。

 一乗谷朝倉氏遺跡は戦国時代、朝倉氏が約100年間治めた城下町跡。最盛期には1万人が暮らしたともいわれたが、織田軍の焼き討ちで約400年間、土に埋もれていた、という。1967年以降発掘調査が始まり、「当主の館」をはじめ、武家屋敷、寺院、町屋、職人屋敷、道路や井戸、庭園などの街並みがほぼ完全な姿で発見された。国の特別史跡・特別名勝の指定を受け、出土品は国重要文化財指定を受けている。

 常時展示資料は約800点。朝倉将棋(しょうぎ)の駒など、国指定重要文化財はうち約280点。朝倉氏の歴史や城下町一乗谷を豊富な出土品で展示紹介。さまざまな生活用品や職人の道具、武器武具、文化的な暮らしぶりを物語る遊芸の道具などのほか、古文書や絵図も展示している。街並みを再現した城下町ジオラマは、表情豊かな人形たちを配置。タッチパネル操作でジオラマ内を散策する視点で見学できる、という。

 そのほか、5代当主・朝倉義景の館を原寸再現した朝倉館、川湊の一角や道路を見つかったまま"露出展示"する「石敷遺構(いしじきいこう)」なども見学できる。朝倉氏の歴史と遺跡発掘の歩みをまとめた映像、遺跡の発掘調査や遺構を守る仕事を説明する「探求ラボ」など、子どもたちも楽しめよう工夫したという。

 開館を記念して開く特別展「発掘調査の歩み」は、特別展示室で2023年1月31日まで開催。一乗谷朝倉氏遺跡の発掘調査の経緯や歩み、今後の展望などを紹介する。「成果の裏に隠された現場の様子を感じることができる」という。

 基本展示観覧料は一般700円、高校生400円、小中学生200円、70歳以上350円。団体は20名以上2割引。特別展「発掘調査の歩み」の観覧料は一般・大学生1200円、70歳以上700円、高校生 800円、小中学生500円。観覧は原則、ウェブ事前予約が必要。詳細はホームページを参照。