カルチャー

コロナ仕様のマラソン大会 東京レガシーハーフ参戦記

スタッフはみなマスク姿。
スタッフはみなマスク姿。

 コロナ禍になってこの2年半あまり、さまざまなイベントが中止になったりオンライン開催になったりしてきた。たくさんの人が集まるマラソン大会もご多分にもれず。この間、筆者が参加したものも、オンラインで記録をとってデジタル完走証が送られてくる個々人参加の大会だった。そして10月16日、ようやくリアルで開催された東京レガシーハーフマラソン2022(東京マラソン財団主催)に参加。事前の健康管理記録から当日まで、コロナ仕様の大会になっていたので、その様子を報告する。

 この大会に参加しようと思った理由は二つ。一つはもちろん“リアル大会”だったこと。もう一つは、五輪開催を機に新しくなった国立競技場がスタート・ゴールになっていたこと。五輪終了後まで見たことがなかった競技場には、その後ラグビーの日仏戦やサッカーのパリ・サンジェルマン来日の際の観戦で入ってはいたが、トラックに下りるのはもちろん初めて。アスリートではない素人ランナーにとっては、映像でしか見たことがない場所に自分の足で立つチャンスだった。

大会前日の競技場内のランナー受付。
大会前日の競技場内のランナー受付。

 さて大会前。まずはネットで「ランナー受付」の時間予約を取る。アスリート・ビブスなどを受け取りに行く時に、PCR検査を受ける必要があるからだ。9月の末頃には指定された「体調管理アプリ」をスマホにインストール。大会1週間前から毎日、体温と体調を記録してアップロードする。

 前日の「ランナー受付」では、このアプリと、顔写真登録した大会アカウントのページをスマホで提示しながら、ビブスを受け取り、PCR検査を受け、「済」のデジタルスタンプをもらう。もちろん免許証などの身分証明書も必要だ。

 その夜、Web問診結果のページとメールにPCR検査「陰性」の連絡が送信され、晴れて出場許可が出る。ちなみにこの段階で陽性になってしまった無症状の出走予定者たちは、この日の夜に電話連絡を受けた。出走する気満々だったためかなり驚き、そこから粛々と今度は陽性者登録センターの手続きに入らねばならない。

当日朝の国立競技場。スタートを切るまではみなマスク。
当日朝の国立競技場。スタートを切るまではみなマスク。

 当日の参加者は、前日同様スマホで競技場に入場。荷物を預けて指定のブロックから出走するのはコロナ前の大会と同じだ。筆者はタイムの遅い“素人ランナー”だから、競技場の外にある指定ブロックから競技場に入場してスタートを切った。走り始めて競技場を出るまでは、全員がマスクをつけたまま。

 水道橋や日本橋、神保町、大手町などを走りながら、給水ポイントでも紙コップをとる前に手指消毒。フィニッシュの後も手指消毒を経てメダルを受け取る。こうやって少しずつ、コロナ仕様でリアルなイベントが増えていくのだろう。もっとも、スマホやアプリの操作に手間取る人々も少なからずいて、現場で操作を助けるスタッフも一定数必要だ。コロナ禍で、イベント参加にはスマホ所持と操作がデフォルトの時代が一気にやってきたようだ。