カルチャー

元職員寮をシェアハウスにリノベーション 城南信金、共用部は地域住民も利用可

プライベート空間が確保された居住スペース
プライベート空間が確保された居住スペース

  城南信用金庫(本店・東京都品川区、川本恭治理事長)は、老朽化や入寮者減で18年前に閉鎖した目黒区碑文谷の元職員寮を、29の居室を備えた賃貸シェアハウスへ、全面的にリノベーションした。共用部には、地域住民ら入居者以外の人も会員であれば時間貸制で利用できる、カフェテラス併設のワークスペース4室を設けた。

 元職員寮は東急東横線・都立大学駅から徒歩7分の立地。建物(鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積約1470平方メートル)全体を専門の運営管理会社が借り上げ、2、3階の居住部をシェアハウス、1階の共用部をシェアオフィスとして3月15日から貸し出している。

広々とした共用のテラス

 シェアハウスの各居室はワンルームタイプ(11~17平方メートル)で、プライベート空間が確保されている。複数のトイレ、シャワー、キッチンなどを共用し、かつての共同浴場などを改修したサウナスペースも男女別に設置されている。「ワンルームマンションなどに比べ、都会で一人暮らしをする入居者同士の交流が多いシェアハウスの人気が高まっている」(同信金管財部)といい、すでに全室の入居が決まったという。

屋上に設けられたサウナスペース

 城南信金は2022年3月に、川崎市にある職員寮もシェアハウス(全30室)に改修している。かつては地方出身などの新入職員らが入寮していたが、若者のライフスタイルが変化し、好立地の寮であってもほとんど利用されなくなり、老朽化も目立っていた。同金庫は「信用金庫の責務である、地域経済と地域社会の発展に貢献するという観点から、無人になり老朽化した建物の再生策を検討。新たな定住者を確保するだけでなく、多様な働き方にも対応できるスペースとして、地域住民も利用できる半パブリックな施設を提供することにした」としている。