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ワクワクドキドキの冒険物語が伝える将棋の魅力 子育て中のママ2人が作った将棋の絵本

ph S 「将棋をやると考える力がつきそう」「賢くなりそう」というイメージから、我が子が将棋に興味を持ってくれたらいいなあと、漠然と考えるお母さんやお父さんも少なくないのでは? 一方で、将棋には「難しそう」「敷居が高そう」というイメージがあるのも事実。そんな親のちょっとした先入観から、子どもが将棋に少し興味を持ちつつ、それ以上触れることなく通り過ぎてしまったとしたら、それは残念かもしれない。そんな思いから、ともに子育て中の女流棋士と将棋番組の司会経験が豊富な女性アナウンサーが一念発起! 2人で将棋の楽しさを伝える絵本を作りあげた。『しょうぎの くにの だいぼうけん』(講談社、税別1400円)だ。

女流棋士・中倉彰子さん
女流棋士・中倉彰子さん

 女流棋士の中倉彰子さんが物語を作り、フリーアナウンサーの福山知沙さんが絵を担当。将棋盤の上にいるのは、大切なものがなくなり大泣きする「おうさま」に、おしゃぶりをくわえた「ふうくん」、あねご肌っぽい雰囲気の「きょうこねえさん」、そして、「かっくん」に「ひしゃお」、「きんこちゃん」に「ぎんこちゃん」、「けいまーくん」。あなぐまの王様に奪われてしまった「ぎょく」を取り戻すための冒険が始まる。次々に難関が現れ、その都度それぞれの得意の動きを発揮し、ピンチを切り抜けるみんな。終盤のどんでん返しで「ぎょく」奪還は無理か!?の事態になるけれど……。豊かな表情に、動きやスピード感が伝わってくる絵。「ピンチでドキドキハラハラ」、「切り抜けて笑顔で大喜び」が繰り返される展開は、小さな子どもの心もしっかりつかみそうだ。

しょうぎのくにのだいぼうけ
フリーアナウンサー・福山知沙さん

 緻密に作戦を練る、論理的に攻めていく、なんて考えると、少し堅苦しい。でも、「たくさんの仲間の個性、持てる力を集結させて、どうやったら宝物をゲットできるんだろう」と考えたら、ドキドキ、ワクワクする世界に早変わり。将棋って駒たちがそれぞれの働きを持っているけれど、状況によって自分の力を思うように発揮できなかったり、ピンチで縁の下の力持ち的な存在の駒に助けられたり、勝てると思ったら大どんでん返しがあったり…。将棋が好きな人は、駒たちと“気持ち”を1つにして冒険を楽しんでいるのかもしれない。原点はそんな「楽しさ」、そして冒険を支えるのは「あきらめない」という気持ちなのかな。将棋のことはよく分からない子育て中の筆者にもそんな気持ちをもたらしてくれた絵本だ。