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小学生は小笠原の自然描いた「つながる」が最優秀 磐城高の作品は脚本、映像とも完ぺきと高評価 パナソニック支援のKWN日本コンテスト

小学生部門で最優秀作品に輝いた小笠原村FCフォルサ母島。副賞のガンバ大阪のサイン入りユニホームを手にする宮沢波生さん(中央)とその左が寺戸藍波さん、中央右が代表の宮沢貫さん(写真提供:パナソニック)
小学生部門で最優秀作品に輝いた小笠原村FCフォルサ母島。副賞のガンバ大阪のサイン入りユニホームを手にする宮沢波生さん(中央)とその左が寺戸藍波さん、中央右が代表の宮沢貫さん(写真提供:パナソニック)

 パナソニックが、小中学校や高校の児童生徒を対象にビデオ制作を支援するグローバルな教育プログラム、キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)の日本コンテスト2016の表彰式が3月5日、東京都江東区有明のパナソニックセンター東京で行われ、小学生部門は東京都小笠原村のFCフォルサ母島の「つながる」、中学生・高校生部門は福島県立磐城高の「Open.」が最優秀作品賞に選ばれた。ともに初参加での受賞だった。「つながる」と「Open.」は、この夏に予定されているグローバルコンテストで、世界から集まる作品とグランプリを争う。

 KWNは、パナソニックが1989年に米国で始めた教育支援プログラム。現在では世界19の国・地域で年間1万人以上の子どもたちが参加している。16年度は日本で69校、77チームが参加した。FCフォルサ母島は名前が示すようにサッカーチームだが、代表の宮沢貫(とおる)さんが「島民が450人しかいない。何にでも挑戦しよう、ほかの世界に飛びだそう」と子どもたちに呼びかけ、ビデオ制作に取り組んだ。まったく「ゼロ」からの挑戦だったが、パナソニックのスタッフによる指導や補助を得て完成させた。島の人たちはみんなが顔見知りの上、自然も食物もすべてが人間とつながっているというテーマを、小笠原の豊かな自然をバックに描いている。特に群れをなすイルカと子どもたちが一緒に泳ぐシーンは圧巻で、生命感と躍動感にあふれた美しい映像に仕上がっている。

 小学生部門は最終審査に残った5作品ともレベルが高く、審査員の伊藤有壱・東京芸大大学院教授は「審査は熾烈を極めた。つながるは、生きていることを素直に等身大で描いていた。小笠原を愛する気持ちにあふれ、日本を代表し世界に発信するにふさわしい作品だと思う」と最優秀に選出した理由を話した。もっともチームを代表して表彰式に出席した小学6年生寺戸藍波(あいな)さんと代表の息子の波生(なるう)さんは「撮影は楽しく、サッカーより面白かった」と口をそろえ、宮沢代表も思わず苦笑いだった。

中学生・高校生部門は福島県立磐城高が最優秀作品に選ばれた。ガンバ大阪のユニホームを持つ佐藤理子さんと、右側が遠藤愛実さん(写真提供:パナソニック)
中学生・高校生部門は福島県立磐城高が最優秀作品に選ばれた。ガンバ大阪のユニホームを持つ佐藤理子さんと、右側が遠藤愛実さん(写真提供:パナソニック)

 磐城高の作品は、同じ女子生徒から小さないじめに遭う生徒が、一方で淡々と接してくる男子生徒の何気ない行為から心を開くという単純なストーリーながら、白黒と淡いカラーを巧みに交えた映像と、台詞がなく音楽と表情だけの「ノンバーバル」の演出が印象的。審査員の飯田香織・NHK経済部副部長は講評で「映像がとてもきれい。モチーフを何度も繰り返すリズム感もよく、なぜ題名がOpenなのだろうと最後まで引っ張っていく演出も見事」と話した。

 表彰式には、制作した磐城高放送委員会から、1年生の佐藤理子さんと遠藤愛実さんが出席。2人によると、脚本は何度も書き直し、映像も撮り直しを繰り返したという。そうした苦労が実り、最終的には脚本のイメージと映像が重なり、納得のいく仕上がりになったそうだ。CM制作の専門家で審査員の山口香さんも「シナリオも映像も完ぺき。末恐ろしいクリエイターになる」と高く評価した。

最優秀作品にノミネートされた9チームの全員で記念撮影(写真提供:パナソニック)
最優秀作品にノミネートされた9チームの全員で記念撮影(写真提供:パナソニック)

 今回、この2作品以外に日本コンテストで最優秀作品賞にノミネートされたのは小学生部門が、東京都江戸川区立篠崎小の「My Name Is…」、神奈川県の森村学園初等部の「A Message」、福岡県福津市立福間南小の「ありがとう」、熊本県荒尾市立桜山小の「バリアフリーって何だろう?」、中学生・高校生部門が大阪府立茨木高の「月と、好き。」、宮崎日大高の「ことば」、沖縄県の昭和薬科大学附属中の「好き 嫌い どっちでもいい」だった。