SDGs

“なぜプラスチックなのか?” プラ問題について考えるパタゴニア映画

パタゴニア映画「クローゼットの中の怪物」。
パタゴニア映画「クローゼットの中の怪物」。

 私たちの生活はプラスチック商品で溢れている。食品を包むのに使われるプラ容器。トイレットペーパーなどの日用品が入っているプラ袋。そして、私たちが身に着けている衣類の多くも、ポリエステル・ナイロンなどのプラ由来繊維で作られている。丈夫で加工しやすいメリットがある反面、天然素材ではないポリエステルを含むプラ繊維は、マイクロプラスチックなどの状態で長い間、自然環境に残り続ける。また、大量に生産され、時には未使用のまま大量廃棄される衣類は近年、大きなゴミ・環境問題になっている。私たちの生活から、ただちにプラスチックの使用を100%取り除くことは現実的ではないが、改めてプラスチック商品、中でも化学繊維でできた衣類について考えてみてはどうだろうか?

 パタゴニア(パタゴニア・インターナショナル・インク、横浜市)は、フットプリント(環境に与える負荷を表す指標の一つ)キャンペーンの一環として、映画「The Monster In Our Closet(クローゼットの中の怪物)」(約30分)を公開している。映画に登場するのは、弁護士・気候変動レポーター・マテリアルデザイナーの3人。それぞれの活動や仕事を通して、プラスチックが及ぼす影響や危険性について考える内容になっている。

東京・渋谷店で開催されたトークセッションの様子。
東京・渋谷店で開催されたトークセッションの様子。

 長年、会社の使命として地球・社会問題に取り組んでいるパタゴニア。同社では、選挙や環境などをテーマにしたイベントを定期的に開催している。今年6月に全国8店舗で行われたプラスチック問題について話し合うグループトークセッションには、大学生から教員・会社員まで多くの人が参加。「持っているTシャツの枚数」「服を買う時の基準」「着なくなった服はどうしている」「これから始められるアクション」などのテーマに沿って、さまざまな意見が交わされた。

 聖心女子大学の南木美咲さんは、大学に入ってからSDGs(持続可能な開発目標)などに興味を持つようになり、東京・渋谷店のイベントに参加したという。「これまではデザインや値段しか気にしてなかったが、使っている繊維、作られた工程などについても調べないといけないと思った」と感想を語った。

渋谷店で開催されたトークセッションの様子。
渋谷店で開催されたトークセッションの様子。

 「私達は皆、アパレル産業を変える力を持っているのです」
 という言葉で映画は締めくくられている。あなたが今年購入した服の枚数は? 本当に必要な服だけを買っているだろうか? もう一度、私たちの生活や購買スタイルを振り返ってはいかがだろう。