グルメ

卓球ドイツOPで全農が「ニッポンの食」を提供 どんぶりパワーで日本勢が2種目準優勝

石川佳純選手と全農の落合成年広報・調査部長。
石川佳純選手と全農の落合成年広報・調査部長。

 ドイツのブレーメンで10月13日まで開かれていた卓球のワールドツアー、ドイツ・オープンは、女子シングルスで伊藤美誠(スターツ)が2大会連続の準優勝、女子ダブルスも木原美悠、長崎美柚(エリートアカデミー)組が準優勝するなど日本勢が好結果を残した。同大会を協賛した全国農業協同組合連合会(JA全農)は、全農所属の石川佳純(2回戦敗退)ら日本代表の食事をサポート。昼食用に日替わりメニューで丼を提供したり、補食として日本産米を握ったおにぎりを差し入れたりするなど「ニッポンの食」で選手の活躍を支えた。

日替わり丼に行列

 選手が利用する試合会場のビュッフェでは、ブースを構えて昼食用に丼とみそ汁、スープを提供。ビュッフェは日本代表だけでなく、世界各国の選手も利用する。そのため丼は毎日2種、計100食分を準備し、各国代表が行列して食べる人気メニューとなった。

大会会場のビュッフェで丼を受け取る張本智和選手と行列する他国の代表選手。
大会会場のビュッフェで丼を受け取る張本智和選手と行列する他国の代表選手。

 丼には全農のグループ会社であるJA全農インターナショナルが輸出した新潟県産コシヒカリと群馬県産上州和牛を使用。大会5日目の12日には豚みそ焼き丼と鮭のあぶる丼、決勝があった最終日の13日は験担ぎもあって牛丼とカツ丼をそろえるなど、日替わりメニューで選手の希望に応えた。

新潟県産コシヒカリと群馬県産上州和牛を使用した牛丼。
新潟県産コシヒカリと群馬県産上州和牛を使用した牛丼。

 石川佳純選手が大会前から「予約制にしないと行列ができるのでは」と予測していた通り、大会がスタートすると最初は遠巻きに見ていた外国人選手も行列に加わり、ご飯におかずを乗せて美味しそうに食べるようになった。

地元の日本食店が協力

 選手の夕食用には連日、日本産米を使ったおにぎり60個を提供。具材は梅干しや昆布、おかかなどおなじみのものばかりだ。夕方にビュッフェで日本代表スタッフに手渡しし、選手は試合の合間のエネルギー補給や試合後のリカバリーのために頬張っていた。

補食用に提供されたおにぎり。
補食用に提供されたおにぎり。

 丼やおにぎりの主要材料は日本から輸出したが、調理などではブレーメン市内の日本食レストラン「CAPTAIN SUSHI(キャプテンすし)」が協力。開業して20年以上という同店は、サッカー日本代表でブンデスリーガのブレーメンに所属する大迫勇也選手にも食事提供の経験があるという。全農は「食材がそろっても調理の場所、調理する人材を確保することが重要。ブレーメンについてはいろいろ下調べをした結果、キャプテンすしさんを手を組むことにした」(落合成年広報・調査部部長)と説明した。

食事会でリラックス

 ドイツ・オープン開幕の1日前、7日に全農は同店で、日本代表選手やスタッフ約30人を招いて食事会を開催。一部の選手は直前まで開かれていた同じワールドツアー、スウェーデン・オープンに出場しており、ストックホルムから移動しての参加となった。

食事会に参加した木原美悠選手(正面中央)、長崎美柚選手(同左)。
食事会に参加した木原美悠選手(正面中央)、長崎美柚選手(同左)。

 食事は新潟県産コシヒカリと群馬県産上州和牛を使用した和食ビッフェ方式で、和牛ハンバーグやみそ汁、茶わん蒸し、フルーツなど多彩なメニューが振る舞われた。

 石川佳純選手は「スウェーデンでの1週間が終わって、また日本食が食べられてリラックスもできました。ご飯が大好きだけど、日本産のお米が食べられることはなかなかない。和牛もおいしかったし、海外にいることを忘れてしまいました」と喜んだ。

食事会に参加した松島輝空選手(右から2人目)。
食事会に参加した松島輝空選手(右から2人目)。

 張本智和選手(木下グループ)は石川選手に「牛丼をたくさん食べてくださいね」とすすめられ、「パワーがもらえてうれしい。お湯につけて食べるご飯のパックを持ってきていますが、やはりこっちの方がいいです」と笑顔を見せていた。

栄養面でも高評価

 水谷隼選手(木下グループ)は「すごくありがたい。15年くらい海外ツアーで戦っていますが、なかなか日本食は食べられない。ツアー中に落ち着けるのは食事のときくらいなので、それが日本食なら助かります」と感謝。最近特に気を付けているという栄養面についても「欧州にいてただ食べていると栄養が偏りがちになるが、今日のようにメニューをそろえてもらえると選択して食べられる」と評価した。

食事会に参加した石川佳純選手(左)。中央は水谷隼選手。
食事会に参加した石川佳純選手(左)。中央は水谷隼選手。

 食事会に参加した日本代表には、水谷選手のように海外での経験が豊富なベテランもいるが、今大会の女子ダブルスで準優勝した長崎美柚選手(17)ら若手も多い。松島輝空選手(木下グループ)にいたっては12歳だ。松島選手は先輩の選手にも促されて楽しそうにビュッフェに並び、ご飯も2杯、3杯と食べていた。

全農は全面支援継続へ

 全農による卓球日本代表への食事サポートは、海外での慣れない食事や環境、衛生面で苦労している実情を日本卓球協会から聴き、選手が高いパフォーマンスを発揮できるよう、今年から現地での取り組みを強化している。会場ビッフェへの丼提供や補食用おにぎり、大会前の食事会など手厚い態勢を組んだのは今回のドイツ・オープンが初めてだ。落合広報・調査部部長は「しっかりした食材を厳選して提供することが重要。今後もさまざまな形でサポートを続ける方針です」と力強く語っていた。