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仏スーパーの“和系”食 ラーメン・たらのポワレのせ

SobaとTanoshiのラインナップ
SobaとTanoshiのラインナップ

 世界の中でも、日本文化に関心の高いフランス。歴史や伝統、サブカルにいたるまで、日本人より詳しいフランス人は少なくない。フランスでの和食の“進化”もここ20年、相当な勢いだ。ひと昔前は、ほぼ在仏日本人のために存在したといえる日本人経営の和食店は、今あらためて“正統派”として君臨、新たに日本から出店したラーメンや蕎麦、様々なジャンルの和食店を含め、店の前にはフランス人が列を作る。中華系や地元フランス人が切り盛りする店も加わり、その数は増える一方だ。もちろん日本人から見れば、ちょっと違う、というものもあるが、それはイタリア人が首を振る日本のスープスパゲティなどと同様、どの国でも“外国料理”にはつきものの“拡大解釈”。日本の雰囲気が味わえる“日系食“の広がりを、パリのスーパーマーケットでおなじみになった“和系”の製品でご紹介しよう。

カップも
カップも

 たとえば、“Soba”。蕎麦、ではなく焼きそばだ。しかも味のバリエーションがなかなか興味深い。てりやき、カレー、チリ味など。袋めんもあるし、カップ方式も存在する。なんと言っても、あの「日清」の製品だから、日本人としては見慣れたロゴが心強い感じだが、味のラインナップはフランスならでは。

 Tanoshiというブランドもある。フランスのビオ製品などを扱う大手の食品会社が出しているが、「楽」と書いて、やはり“和系“食。たとえば、ラーメンだと「エビ」「牛肉」「魚介」風味などが揃う。面白いのは、その”応用調理法“だ。製品のホームページを見ると、ラーメンを使ったレシピが載っている。たとえばエビラーメンは、いったんゆでてから、パプリカ、玉ねぎ、もやしと炒め、フライパンやオーブンで焼いたタラの切り身をのせて、レモンのコンフィと生姜のソースで食べる。手がかかっていて、雰囲気はフレンチ。

寿司キット
寿司キット

 他にも、豆腐の味噌汁や焼き鳥も出している。なかなか人気なのが、寿司キット。海苔3枚と米200g、ワサビに醤油、生姜、巻きす、箸2膳にお寿司のレシピ帳がセットになっている。簡単にできる、が売り文句だが、「お寿司はアート。日本人にでさえ難しいのだから、練習してくださいね~」と書いてあるあたり、好感が持てる。

鶏とピーナッツの焼きそば
鶏とピーナッツの焼きそば

 もっとも、在仏日本人は、“日本人街”といわれるオペラ座近くの和食材や韓国食材店で、若干高めの“(日本や韓国からの)輸入もの”を買う人が多い。現地スーパーに初めて醤油が登場した90年代は喜んで飛びついた日本人も、今は選択肢が増え、専門店に通う人が多い。最近はその専門店にも、フランス人客が増えているから、スーパーの“和系”食品は、安値で手軽な“和風”インスタント、と言えそうだ。