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マシーンがまたひとつ人間の能力を獲得? 複数の話し声の中から特定の声を聞き分け

AGO 情報処理の世界は日進月歩。人間には不可能な容量や速度に驚がくする半面、未だマシーンが人間に追いつけない分野もある。たとえば、騒がしい場所で複数の話者の話し声の中から特定の話者の声を聞き分けられる「カクテルパーティ効果」。複数の信号源が混在する感覚入力をうまく分解し、独立した情報として処理するこんな人間の脳の動きは、今までなかなかマシーンには真似できなかったらしい。理化学研究所の研究チームが、その複数の感覚入力を、独立した成分に分解するためのアルゴリズムを開発した。

 「独立成分分析(ICA)」と呼ばれている。脳の神経細胞は、互いに電気信号をやり取りすることで複雑な情報処理をする。神経細胞間でひんぱんに使われるシナプス結合はより強くなることで、“学習”が進む。研究チームは、そのシナプス強度の変化を表現する新しい計算方法を発見したという。

 この新しい計算方法は、近年開発が進んでいる神経回路型ハードウェアと組み合わせることで、現実のデータの大規模な並列処理を可能にし、高速な画像・音声信号の要素分解の実現など、工学や生命科学などさまざまな分野にインパクトを与えると期待されている。