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可愛い旧市街と華麗なるマイセン磁器の世界を満喫する、ドイツ・マイセンの旅

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マイセン磁器の里・マイセン

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東ドイツの古都ドレスデンからSバーン(近郊列車)で約35分。エルベ河畔にたたずむ小さな町が、世界的に名高いマイセン磁器の里です。

ヨーロッパ初の硬質磁器であるマイセン磁器が生まれたのは1710年のこと。当時この地を治めていたアウグスト強王は熱心な美術蒐集家で、なんとかして中国や日本のような白磁をヨーロッパでも造りたいと切望していました。

強王は宮廷錬金術師だったヨハン・フリードリッヒ・ベトガーにその開発を命じ、研究の末、ベトガーは1709年に白磁の製造に成功。1710年に王立マイセン磁器製作所が設立されました。

中世の面影が残る旧市街

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第ニ次世界大戦の被害を免れたマイセンの旧市街には、今もしっとりとした中世の面影が残っています。

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旧市街の中心が、淡い色合いの美しい建物が並ぶマルクト広場。広場に面して建つフラウエン教会の鐘はマイセン磁器製で、世界初の鳴る磁器の鐘なのだとか。鐘の音が響き渡るなか、石畳の道を歩いたマイセンでのひとときは、きっと強く印象に残ることでしょう。

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旧市街のメインストリートのひとつが、ブルク通り。可愛らしい雑貨店などが連なるショッピングストリートで、お土産探しにもぴったりです。通りの向こうには高台に建つ大聖堂が顔をのぞかせており、絶好のフォトスポットでもあります。

アルブレヒト城

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マイセンのシンボルが、丘の上に建つアルブレヒト城と大聖堂。アルブレヒト城は、現存するドイツ最古の宮殿ともいわれ、1524年にほぼ後期ゴシック様式の現在の姿になりました。

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建設当初、城内の壁と天井は白を主体としたシンプルなものでしたが、19世紀に多くの壁画などの装飾が加えられた結果、色鮮やかな内装となっています。

この城は、マイセン磁器の歴史と切っても切れない関係にあります。というのも、1710年から1864年までここに磁器工場がおかれていたからです。

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製法が外部に漏れることを恐れたアウグスト強王が、白磁の焼成に成功した錬金術師ベトガーをアルブレヒト城内に幽閉したというエピソードも有名。城内にはベトガーによる磁器の製造を描いた壁画もあり、マイセン磁器との深いかかわりを感じさせます。

大聖堂

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アルブレヒト城に寄り添うようにして建つ大聖堂は、968年創建。当初はロマネスク様式の建物でしたが、13世紀ごろからゴシック様式への改築が始まり、天を刺すような2つの尖塔は20世紀初頭に建設されました。

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大聖堂内部では、宗教改革者ルターの友人でもあったルネッサンス期の画家クラーナハによる祭壇画や、マイセン磁器製の像を用いた祭壇が見ものです。

マイセン磁器工場(マイセンハウス)

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マイセンの町はずれには、見学用工房と磁器博物館を備えた「マイセン磁器工場(マイセンハウス)」があります。

現在の施設は2005年にオープンした近代的な建物。館内では、今も手作業で行われるマイセン磁器の製造工程が見られるほか、歴代のマイセン磁器を展示する博物館、さらには世界最大級のマイセンショップにカフェやレストランもあり、まるごとマイセンワールドが体感できます。

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吹き抜けのホールには、ヨーロッパで最大の磁器製品といわれる「ザクソニア」を展示。8000個もの手作りの小花で飾られたこの像の製作期間は18ヵ月にも及んだといいます。非売品ですが、もし値段を付けるとしたらとんでもない金額になることでしょう。

製造工程のデモンストレーション

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見学用工房では、ろくろによる成形や型取りから、接合、下絵付け、上絵付けにいたるまで、マイセン磁器の製造工程を段階ごとに見学することができます。

各部屋では、その分野のプロフェッショナルである職人たちが熟練の技を披露。見学用工房といえど、張り詰めたような緊張感が漂っていて、手仕事にかける職人たちのひたむきさが伝わってきます。

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今も足を使って回すろくろの過程では、一瞬にしてカップのボディの基本形が形作られます。2度目の焼き入れの後、全体のサイズが16パーセント小さくなるため、それを計算して成形しなければなりません。

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続いては、出来上がった基本パーツをつなげる接合職人の出番。パーツをつなげるだけでなく、表面をなめらかにしたり、花などの細かい飾りをつけるのもこの職人の仕事です。

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写真の人形の場合、この工程だけで3日もかかるのだとか。平面的な花には型がありますが、立体的な花はすべて職人の手作り。あえてカーブをつけながら自然で愛らしい花を表現する手先は「見事」の一言です。

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下絵付けは一切やり直しがきかないため、特に神経を遣う工程。定番のブルーオニオンの絵付けが実演されています。この段階では深いグリーンに見えますが、焼き入れによってコバルトブルーへと色が変化するのです。

製品ごとに絵付けの所要時間が決まっており、写真の大皿は一時間強。アウグスト強王の時代からこうした決まりがあったそうです。

職人はそれぞれ自分だけの番号をもっていて、完成品の裏面にはその番号が刻まれます。なかには、特定の職人を気に入ってその職人の作品ばかりを集める熱心なコレクターもいるとか。

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上絵付けの段階では、下絵付けよりもずっと多彩な色を使用することが可能です。マイセン磁器工場では絵の具の製造も行っており、色のバリエーションは一万色以上。その製法は門外不出で、マイセン磁器の職人であっても、色絵付けに携わっていなければ知ることはできません。

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このときは、中国や日本の影響を受けた東洋風の龍の絵付けの実演。針に糸を通すような繊細きわまる筆遣いに脱帽です。

憧れのマイセン磁器の製造工程を間近で見る体験は、まさに感動もの。製造工程を見学することで、設立以来手作業にこだわり続けてきたマイセン磁器のクラフトマンシップが肌で感じられ、博物館やブティックで見る製品がひときわ特別なものに見えてくるに違いありません。

300年の歴史を物語る磁器博物館

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マイセンのクラフトマンシップにふれたら、300年の歴史を物語る磁器博物館に足を運んでみましょう。まるで宮殿かのように豪華な館内には、2万点もの膨大なコレクションの中から約3000点を展示。

マイセンといえば、花柄のカップやデコラティブな人形のイメージがあるかもしれませんが、予想以上に多彩なラインナップがあることに驚くはずです。

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東洋風の絵皿や置物はもちろんのこと、立体的な天使像と花で飾られえた巨大な壺、いたずらっぽい表情がなんとも可愛らしい動物像や、若手アーティストによるオブジェや食器など、伝統を守りながらも新しい境地を開拓し続けるマイセン磁器の姿がここにあります。

2018年の特別展「玉ねぎ模様の歴史」

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マイセンのアイコンといえば、玉ねぎをモチーフにしたブルーオニオン。2018年12月末まで、磁器博物館では特別展「玉ねぎ模様の歴史」を開催中です。

ブルーオニオンのもととなった中国の磁器から、初期のブルーオニオンシリーズ、さらには時代の流れとともに加わったモダンなラインナップまで展示し、ブルーオニオンの歴史を紐解きます。

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もともとは中国風の模様がコピーされていましたが、しだいにマイセン独自の模様が開発されるようになり、1730年ごろにブルーオニオンが誕生します。

なぜ「玉ねぎ」なのか・・・それは、中国の磁器に描かれていたザクロやモモなどのエキゾチックな果物を見たことがなかった300年前のドイツ人が、それらを玉ねぎと勘違いしたからだといわれています。

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勘違いから生まれたブルーオニオンが、今もマイセンのアイコンとして世界中で愛され続けている。とても興味深いエピソードではないでしょうか。

世界最高の品揃えを誇る直営ブティック

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マイセン磁器工場では、もちろんショッピングも楽しみのひとつ。世界で最も多彩なマイセン製品が揃うこの直営ブティックでは、磁器の食器や人形はもちろんのこと、ジュエリーやスカーフなどのファッションアイテムもラインナップ。

食器ひとつとってもそのスタイルはさまざまで、クラシカルなブルーオニオンから、従来のマイセンのイメージを覆すようなモダンなシリーズまで、その引き出しは実に多彩です。

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人気のアウトレットコーナーでは、20パーセントから最大70パーセントオフでマイセン磁器が手に入ります。素人目にはわからない軽微な失敗のある2級品だけでなく、在庫過多の1級品もあり、憧れのマイセン磁器を割安価格で手に入れるチャンスです。

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たとえ2級品でも、マイセンブランドを掲げるにふさわしいと判断された品物。明らかな失敗品はそもそも店頭に並ぶことはありません。

マイセン磁器でサーブされるカフェ・レストラン

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マイセン磁器を購入せずとも、それらを実際に手に取って使ってみることができるのが併設のカフェとレストラン。

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「カフェ・マイセン」ではカジュアルにお茶や食事を楽しむことができ、マイセンの名を冠した濃厚なケーキ「マイセン・トルテ」もいただけます。

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「レストラン・マイセン」(要予約)では、「カフェ・マイセン」よりもさらに上質なマイセン磁器でサーブされるコース料理が楽しめます。

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美しい食器とともに洗練されたドイツ料理を味わう時間は、ひときわ贅沢。

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3つの異なるデザインのカップでコーヒーと紅茶、ホットチョコレートを味わえる特別イベントなども開催されています。

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旧市街で中世の雰囲気にふれ、マイセン磁器工場で300年以上も受け継がれてきた華麗なるマイセン磁器の世界を堪能する。この小さな町は、あなたにもきっとたくさんの感動を届けてくれるはずです。

[All phots by Haruna Akamatsu]

取材協力:
[ドイツ観光局]
[マイセン陶器工場]

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