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元空港グランドスタッフの、今だから話せる驚きの実話【1】知られざる小部屋

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国内の某空港でグランドスタッフとして働いていた経験のある蒼井空(あおい そら:仮名)さんに聞いた、「今だから話せる驚きの実話」。さまざまな国の人々が行き交う空港では、文化ギャップを感じる興味深い出来事が日々繰り広げられているのです。第1回目は、空港に存在する「知られざる小部屋」のお話。

「INAD」って知っていますか?
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グランドスタッフの間では、入国審査で許可がおりなかった人々のことを「INAD(インアド:Inadmissible Passengerの略)」と呼んでいます。入国審査で怪しいと判断されると、別室に連れて行かれ、さらに詳しく調べられます。出迎え人がいる場合は、その人を呼び出して話すことでINADを免れる場合もあり。それでもやはり入国は認められないと判断されると「INAD」決定。最短の便で帰国しなければいけないんです。

責任を持つのは、連れてきた航空会社
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INADの帰国については、彼らを輸送してきた航空会社が責任を持ちます。基本的には最短の便で送り返すことになるのですが、毎日運航がある便ばかりではありません。行き先によっては数日に1便のみの運航ということもあります。

INADは入国を拒否されているわけですから、当然空港の制限区域外に出ることはできません。ホテルにも行けません。なので、彼らが帰りの便を待つ間、滞在するための部屋が空港内にはあるんです。

食事のお世話をするのも航空会社のグランドスタッフ
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部屋は基本一人一部屋。ワンルーム程度の小さな部屋で、トイレなど必要なものは中にそろっています。帰りの便が到着するまで、部屋から出ることはできません。ドアが開くこともなく、外の人間とのやりとりは、ドアに取り付けられた窓を通して行います。けっこう過酷な環境ですよね。悪い言い方をすると、まるで牢屋のよう・・・。INADは単なる書類不備の場合もありますが、不法入国や逃亡の恐れもあるので、こうせざるを得ないようです。

1日3食の食事のお世話をするのも、彼らを輸送してきた航空会社のグランドスタッフ。窓から彼らに食べたいものを聞き、彼らの所持金からお金を預かって買いに行きます。食事を手渡すのも窓越しです。

「宗教的な問題がある人やベジタリアン、アレルギーなどもあるので、食べられないものがないかなどを聞いていました。とはいえ、英語が通じない人もいます。わからないときは適当に買っていって、食べられないものは残してもらう、という感じ。私の場合はマクドナルドでセットメニューを買うことが多かったですね」(蒼井さん談)

INADになる人の特徴は?仲良くなることはあるの?
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「強いて言えばバンコク経由の便に多い印象がありました。基本的に20〜40代くらいの一人旅の男性で、老人のINADは私は会ったことがありません。服装の特徴などはないですね。だらしない服装をしている人、という印象もあるかもしれませんが、実際はきちんとした服装の人も多く、相関関係はないように見えます。

INADと仲良くなることはないです。部屋へ案内するときも、食事のお世話をするときも、必要以上の会話をすることはないですし、グランドスタッフはシフト制なので同じINADと何回も接触することもないんです。ときどき、入国拒否されることに納得できず逆ギレする人もいますが、けっこうみなさん大人しくされています」(蒼井さん談)

日本の安全を守るために必要なこと
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「グランドスタッフ研修のときにも、入国に関してはとても厳しく指導を受けました。働いていた当時は、INAD対応はあまり気持ちのいい仕事ではありませんでしたが、今になって日々いろいろなニュースを見ていると、日本の安全を守るために必要なことなんだと痛感します。入国管理局の方もグランドスタッフも、プライドと責任を持って働いていたんだなと感じますね」(蒼井さん談)

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