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倹約家第1位の県は、そろばん大名がいたあの県【ちょっと面白い都道府県ランキング】

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北から南まで47都道府県、小さな日本なのに風土、文化、方言、県民性がそれぞれ違います。そして同じ日本人であっても、食の好み、考え方や気質、肌色、体型も異なりますね。

TABIZINEでは、各都道府県が持つ個性に着目し、「ちょっと面白い都道府県ランキング」をシリーズでお届けいたします。

ソニー生命保険株式会社が2018年11月10日〜11月21日 の12日間 、全国の20歳~ 59歳の男女4,700名(各都道府県100名)に対し、「47都道府県別 生活意識調査2018-19年版(マネー・旅行編)」をインターネットリサーチしました。
各都道府県民のマネータイプは
各都道府県民のマネータイプを探るため、全国の 20歳~59歳の男女4,700名(各都道府県100名)に、お金に関する意識について質問を行い、それぞれの内容に「あてはまる」と回答した人の割合の高さ順にランキング。全国で倹約家だと自負する人が多い県、また浪費家だと思う人が多い県はどこなのでしょうか。あなたは自分のお金の使い方について、どう思いますか。
倹約家第1位は「佐賀県」
「自分は倹約家だと思う」では、第1位「佐賀県」(62.0%)、2 位「新潟県」「愛知県」「大阪府」(同率60.0%)となりました。
倹約家男子第1位も「佐賀県」
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倹約家を自負する人を男女別にみると、男性の第1位も「佐賀県」(66.0%)。圧倒的第1位「佐賀県」には、倹約家を育てる歴史がありました。
佐賀県人が通った後は、草も生えない?
「佐賀県人が通った後は、草も生えない」と例えられるほど、倹約の精神が根付いているようです。2000年に県が発表した「佐賀県の全国ベストテン」によると、県民1人当たりの1日のごみ排出量は783グラムで日本一少なかったそうです。無駄なものを買わず、買ったものは無駄にすることなく消費するというのは、素晴らしい心がけですね。
借金取りのため足止めされた佐賀藩の大名行列
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佐賀県人が倹約家になった背景には、財政難に苦しんだ佐賀藩の歴史がありました。

佐賀鍋島藩10代藩主鍋島直正が藩主になった当時の藩は、膨大な負債を抱えていました。江戸藩邸の生まれ育ちの鍋島直正が17歳で藩主になり、初めてのお国入りで佐賀に向かう際、醤油屋や酒屋などが支払いを求めて藩邸に押しかけ、足止めされてしまいました。溜まった負債を払わずに逃げられては困るほど、売掛金が溜まっていたためです。参勤交代の大名行列を借金取りに足止めされ、鍋島直正は恥ずかしさと悔しさで涙したという話が残っています。
算盤(そろばん)大名と呼ばれた鍋島直正の改革
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インフレによる生活費用の上昇、フェートン号事件後幕命により長崎警備の強化のため増員・武器の増強、第9代藩主鍋島斉直の浪費が加算し、借金が46.3%と膨大な負債額に膨れ上がっていました。

鍋島直正は借金取りに足止めされた経験がトラウマになり、厳しい倹約令などを発し、大々的な藩の財政改革を推し進めることになります。藩の役人の約1/3(1/5など諸説あり)のリストラを行い、陶器の伊万里(鍋島)焼・嬉野茶・石炭などの産業育成に力を注ぎ、年貢収入を確実にするため小作料(地主に納める地代)を軽減する農民の保護育成、交易に力を注ぎ藩財政を建て直しました。
佐賀藩の贅沢禁止令
藩政鍋島直正が主導するようになってからは、質素倹約、殖産興業で藩の財政の改善が行われました。倹約令(贅沢禁止令)、衣装法度を発せられました。衣装法度は木綿の服の着用を強制し、富豪でも絹服の着用を禁止、かんざしにも銀の使用を禁じました。また琴・三味線などの音楽を一切禁じ、芸者や酌婦も佐賀領内から放逐せられ、料理人は転業し、芝居・見せ物・講談・寄席などはすべて禁じられました。華やかな文化や娯楽は、この時消えてしまったのです。
借金は踏み倒せ
質素倹約や産業育成に力を入れても、借金があるかぎり焼け石に水。「元金の一部を返済し、あとは献金に」の基本方針を掲げ、債務処理チームが交渉をスタート。

大阪では豪商の三井、島田などと交渉し、元金の四分の一を五年間で支払い、四分の三は献金とすることで決着。江戸でも同様の交渉で返済額を二―五割に削減。長崎では元金を七十年で返済する長期ローンに借り換え。実質ほぼ8割の借金を踏み倒したという荒技が成功。借金や返済額は大幅に激減し、藩財政は急速に改善しました。債権者に借金の棒引き(債権放棄)を迫る手口は、借金に苦しむ多くの藩で行ったようですが、金貸しには大変な損害で潰れたところも多かったようです。

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佐賀鍋島藩窯があった大川内山
(C)ajisai13 / Shutterstock.com

佐賀県人に倹約家が多いのは歴史的背景があってのことで、佐賀県人は名君「鍋島直正」を県の誇りにしています。
倹約家女子1位は「大阪府」「和歌山県」
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さて、女性はどうでしょうか。女性の第1位は「大阪府」「和歌山県」(同率68.0%)となりました。
「質素・倹約・始末」の家訓で、大阪経済を支えた「なにわの商人」
昔から大阪では、女性に「しまつ」が重んじられてきました。合理的で無駄金を使わない、いわゆる倹約の精神。胡散臭い話を警戒するので、日本で最も振り込め詐欺の被害に引っかからない県と言われています。大阪の経済を支えてきた「なにわの商人」の家訓である「質素・倹約・始末・才覚」が大阪女性には受け継がれているようです。
将軍吉宗以来倹約気質が根付く「和歌山県」
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徳川吉宗を生んだ紀州徳川家の居城

和歌山県では、大阪の商業圏に近い北部ではとくに金銭感覚が鋭いそうです。また、紀州徳川家出身の将軍吉宗の倹約気質が根付いていると言われます。
徳川幕府の危機
将軍吉宗の倹約気質とは何でしょうか。徳川幕府誕生以来110年、度重なる大火事や飢饉により幕府は財政破綻。その影響は庶民にまで及んでいたため、徳川吉宗が解決すべく立ち上がりました。
将軍自ら手本を示す質素な生活
幕府トップの将軍でありながら、絹ではなく木綿の着物を着用し、食事は一日二回。一汁三菜の質素な食生活のおかげもあったのか、平均寿命が30歳~40歳代の当時に、吉宗は66歳まで生きました。
大奥で若い美人をリストラ
徳川といえば大奥ですが、幕府の財政の25%も使っていたそうです。費用のほとんどは着るものや身に付けるものだったようで、徳川吉宗はリストラを決断。

リストラのターゲットは、容姿端麗でなおかつ25歳以下の大奥の女性50人。側室選びではないかと意気揚々とやってきた女中たちに、吉宗はリストラを宣言。「容姿端麗であれば、良縁も多いはず。」と、大奥から出ても結婚など第2の人生を歩める女性を選んだ英断でした。
自分は浪費家だと思う第1位は「島根県」
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では倹約家の反対の浪費家についてはどうでしょうか。マネータイプランキングで、自分は浪費家だと思う第1位は「島根県」(44.0%)、第2位「秋田県」(42.0%)、第3位「奈良県」(40.0%)となりました。男女別では、男性の第1位は「秋田県」(50.0%)、女性の第1位は「群馬県」(50.0%)の結果が出ています。
47都道府県民のマネータイプ ランキング
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47都道府県別 生活意識調査2018-19年版(マネー・旅行編)ソニー生命調べ

全国のマネータイプの特質は、各土地の歴史が大きく影響しているようですね。親から子へ、言い継がれているのでしょう。同じ日本でありながら、気質が異なるのも興味深いことです。

調査概要

調査タイトル:47都道府県別 生活意識調査2018-19年版(マネー・旅行編)
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする 全国の20歳~59歳の男女
調査期間:2018年11月10日~11月21日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:4,700サンプル(有効回答から各都道府県100名になるように抽出)
調査協力会社:ネットエイジア株式会社

 

『【特集】ちょっと面白い都道府県ランキング!愛すべき47の県民性』では、この他にも気になる都道府県トリビアが満載!ぜひチェックしてみてくださいね。

参考
[47都道府県別 生活意識調査2018-19年版(マネー・旅行編)ソニー生命調べ]
[和歌山県民―― 一見おおらか、お人好しだが、利にさとい一面もあり]
[徳川吉宗の享保の改革に見る財政再建と驚きの質素倹約 江戸時代Campus]
[佐賀県人度チェック 佐賀新聞]
[維新SAGAこぼれ話(鍋島直正) 佐賀市]
[贅沢禁止令(倹約令)を発し、ブランド物禁止令(衣装法度)を発すー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(3-11-34) 山田法律事務所]
[佐賀の名君 – 佐高八期会ホームページ]
[改革ことはじめ 債務処理の”名案” ~体面より実益を優先~ 佐賀新聞]
[All Photos by shutterstock.com]


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