おでかけ

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像1

(C) naococla

第二次世界大戦前には実業家として、戦後は政治の裏舞台で数々の業績を残した白洲次郎氏。終戦後の日本という立場にあっても、外交の場で信念を貫いた堂々たる立ち振る舞いが度々注目される人物です。

白洲夫妻の終の棲家となった「旧白洲邸 武相荘」は東京都町田市にあり、白洲家の当時の生活ぶりを垣間見ることができます。敷地内にはレストランもあり、白洲家に伝わるメニューなどを提供。白洲一家がなぜ都内の中心地を離れこの地を選び、突如自給自足の暮らしを選んだのか。「旧白洲邸 武相荘」には、現在も多くの人を惹きつける白洲次郎・正子夫妻の面影が残っています。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像2

(C) minacono

白洲次郎・正子夫婦とはどんな人物?

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像3

(C) naococla

1902年兵庫県芦屋に生まれた白洲次郎氏は、若くしてイギリスに留学しケンブリッジのクレア・カレッジで学び、帰国後は実業家として活躍しました。戦後は吉田茂首相からの依頼のもと、マッカーサー率いるGHQとの折衝にあたります。日本が自信を失っていた当時、GHQに臆することなく自ずの意思を通す彼の対応は、GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わせたほど。日本国憲法の立法に深く関わり、国際舞台での交渉の場でも堂々と信条を貫いた「日本一かっこいい男」と注目され続ける人物です。

正子さんは、1910年に樺山伯爵家の次女として東京に生まれ、14歳の時に単身でアメリカのハートリッジ・スクールに留学。帰国後まもなくして次郎氏と結婚しました。戦後は、文学、骨董の世界に踏み込み、銀座で営んでいた染色工芸の店「こうげい」に毎日往復4時間かけて通っていたほどの行動派だったそう。古美術や文学などの幅広い分野で活躍しました。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像4

(C) naococla
[車好きだった次郎氏が最初に乗っていたアメリカ車「ペイジ」の同型車]

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像5

(C) 武相荘
[正子さんが使っていた書斎]

彼らが住んでいた「武相荘」という家

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像6

(c) minacono

白洲家が都内から東京府南多摩郡鶴川村(現在の東京都町田市能ヶ谷)に転居したのは、第二次世界大戦の真っ只中の1943年。太平洋戦争開戦前から、戦争が始まれば食糧確保が難しくなり自給自足の生活が必要になるだろうと見越していた次郎氏は、都内にも足を運べる東京郊外の土地を探していたそうです。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像7

(C) 武相荘 [旧土間] * 現在開催中の「春展」展示より(2019年5月26日まで)

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像8

(c) 武相荘 [囲炉裏の部屋]

現在も藁ぶき屋根をふき替えながら保っている母屋の館内は、夫妻が使用していた生活用品や衣服、収集していた骨董品、DIYを好んでいた次郎氏が作った家具などが展示されています。和の懐かしい雰囲気の中に洋風テイストが加わった、質素ながらオシャレな雰囲気。収集していた骨董品を、彼らは生活用品として愛着を持って使っていたのだとか。古民家を自分たち好みに作りあげ、丁寧に生活していた様子が感じられるような、白洲夫妻の思いが込められた室内となっています。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像9

(C) naococla

「武相荘」という名前は、武蔵と相模の境にある立地にちなみ、「無愛想」という言葉を懸けて白洲次郎氏が名付けた白洲邸の別称で、現在もその名前が引き継がれています。

白洲家ゆかりの食事も楽しめるレストラン

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像10

(C) naococla

敷地内にあるレストランでは、カフェやランチ、ディナー(予約のみ)が楽しめます。ランチは白洲家に伝わるカレーや次郎氏が大好きだった親子丼のほか、オムライスなど豊富なメニューが提供されています。店内には、白洲次郎の写真と白洲正子の肖像画が飾られ、店内はレトロな雰囲気が漂うゆったりした空間。レストランのみ利用の場合は、受付でその旨伝えると入場料なしで入場できます。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像11

(C) naococla
[海老カレー2,100円(税別)]

正子さんのお兄さんがシンガポールの友人宅で食べたというカレーのレシピを元に作られ、のちに白洲家の定番メニューとなったカレー。お皿にはキャベツの千切りが一緒に添えられているのも白洲家風。野菜嫌いの次郎氏は、キャベツの千切りにルーを絡めて食べるのが好きだったそう。スパイスがききつつ、アッサリした食べ応えあるカレーです。

今なお人々を惹きつける白洲次郎・正子夫妻が生きた「武相荘」を訪ねて 画像12

(C) kazpoco
[オムライス1,600円(税別)]

ビーフシチューのようなオムライスは、肉がゴロゴロ入ったソースがかけられたボリューム満点の一品です。

仕事では第一線で活躍しながらも、夫婦それぞれの趣味を幅広く持ち、生活を楽しんでいた白洲夫妻。彼らの生き方を知れば知るほど惹かれていくのは、オンオフの使い分けや思ったことをやり通す彼らの強さからかもしれません。東京の郊外に佇む武相荘は、彼らの暮らしぶりを垣間見ながらいろんな思いを馳せられるような空気が漂っています。

【旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)】

武相荘では、季節ごとの特別展示をはじめ、骨董市や陶芸教室などのイベントも開催しています。

住所: 〒195-0053 東京都町田市能ヶ谷7-3-2
電話: 042-735-5732(ミュージアム)、042-708-8633(レストラン)
開館時間:
ミュージアム: 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
レストラン: 11:00~20:00ラストオーダー
休館日: 月曜日(祝日・振替休日は開館)
* 夏季・冬季休館あり
入館料: 1,050円 (税込)
* 小学生以下の入館は不可(乳児は除く)
公式サイト: https://buaiso.com/

[photos by minacono, naococla, kazpoco, 武相荘]


tabizine_logo

TABIZINE
TABIZINE(タビジン)は旅と自由をテーマにしたライフスタイル系メディアです。
旅の情報や世界中の小ネタを通して、旅に行きたくてたまらなくなる情報や、
日常に旅心をもてるようなライフスタイルを提案します。