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盲目ライターの旅日記!知られざる『清水寺』のバリアフリールートを大公開【京都】

京都の『清水寺』には、「車椅子境内参拝マップ」なるものが存在します。ただし、そこは1000本の手を持ち、“全ての人の思いを受け入れること”をモットーとする御本尊、『千手観音菩薩』の精神を可視化した世界。決して障害者や高齢者のためだけの特別なルートではありません。人によっては、“裏ルート”と呼ばれたりもしますが、それは、誰もが通っているのに、その優しさや魅力に気付いていないだけの道です。
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清水寺の「車椅子境内参拝ルート」とは?
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世界遺産の碑

年間500万人以上の人が訪れるという清水寺は、1994年(平成6年)12月、「古都京都の文化財」としてUNESCOの世界遺産に認定されています。つまり、京都の宝、日本の宝の域を超え、世界の宝なのです。一目見たいと、地球上に住む誰もが思うのは当然です。

しかし、山手にあるため、その勾配のきつさ、階段の多さは半端有りません。高齢者や障害者にはまさしく、名実ともに少々高き場所の名刹という印象は否めないでしょう。

ですが、清水寺は2011年(平成23年)1月、国土交通省の『バリアフリー化推進功労者表彰』を受けています。山の中腹にある以上、境内の傾斜は避けられませんが、舗装されたスロープで要所要所を繋ぐ事で、車椅子でも一周出来る「車椅子境内参拝ルート」が確立されているのです。

そのルートを記した「車椅子境内参拝マップ」は、HPからダウンロード可能。また、有料エリアへのゲートとなる『轟門(とどろきもん)』でももらえます。因みに、障害者手帳を提示すると、本人プラス、介助者1名は拝観無料となります。詳しくは、清水寺の公式ホームページをご参照ください。

清水寺の車椅子参拝ルートは千手観音の精神を映し出す道
さてさて、このマップを見るとよく分かるのですが、清水寺のバリアフリールートは、『奥の院』周辺の「南苑」と、『成就院(じょうじゅいん)』周辺の「北苑」を結ぶいわゆる外周道路を主軸に整備したものとなっています。道中には『仁王門』も『音羽の滝(おとわのたき)』も含まれ、お守りの授与所や茶店も点在しているではありませんか!!

つまり、裏ルートどころか、主には昔からあるメイン順路で、誰もが歩いていた道を整備しただけなのです。特に音羽の滝と仁王門の間は、清水寺を訪れる大半の参拝者が通ります。ただ、障害者や高齢者と歩かないと、その快適さや優しさを感じる事が難しいのではないでしょうか!?

しかし、元々バリアフリーの世界だからこそ、快適で、何の違和感も感じないのかも知れません。そう、バリアフリーやユニバーサルデザインは、全ての人に恩恵を齎せます。それは、まさしく千手観音様の精神そのものなのです。

私が好きな清水寺への道
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五条坂入口

私が好きな清水寺への参道は、「東山五条」の交差点の北東、斜めに緩やかな坂道が上る地点から始まります。この坂は『五条坂(ごじょうざか)』。京都市内を通る幹線道路の一つ「五条通」の東端部分となっています。

とは言え、表参道となる賑やかな「清水坂(きよみずざか)」とは異なり、おしゃれな雑貨店やペンションより、パーキングやドラッグストアなどが目立ちがち。さらに、車で清水寺に行くには、ここを通るしかないという事で、繁忙期には大型バスがズラリと行列を作ります。門前町としての風情もなにもあったものではありません。

ただ、歩行者の流れは比較的安定していて、案外歩きやすいというメリットを持っています。私がいつもここから入るのは、それが一番の理由です。

五条坂は大人の隠れ家的参道
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清水坂と茶わん坂の分岐点

五条坂に入ると、突き当たりに分岐点が見えます。ここで右の道をチョイスするのがわたしのおすすめ。ただ、多くの観光客は左の道を選択されます。何故なら、メインストリートの清水坂だからです。お陰で、右ルートは一気に人が減り、開放感に包まれます。京都通を感じる至福の瞬間です。

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茶わん坂入口

右の道に入ると、突き当たりが清水寺です。という事で、この道が、大正時代に茶わん坂と名付けられた坂で、常に混雑している清水坂を一歩も歩かずに清水寺の玄関口となる仁王門まで到達出来るちょっとした隠れ家的ルート。焼き物の店や和装小物の店など、古都の伝統芸術を楽しめる店舗が静かに並ぶ大人の参道です。そして、坂道の終点が、清水寺の「茶わん坂ゲート」になります。

茶わん坂から仁王門へ
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茶わん坂口ゲート

茶わん坂に面した清水寺の入口には、門はありません。その代わりのように、中央に車止めが設置されています。とは言え、歩行者は脇の通路から自由に出入り出来ます。勿論、不法侵入でとがめられる心配はご無用。ここもまた、れっきとした清水寺の参道の一つです。

いざ、清水寺の境内へ!
という事で、遠慮なくゲートを入ると、右側に車道を兼ねたスロープ、左側に階段があります。当然、バリアフリーに徹底的に拘るのであれば、スロープを選択するべきでしょう。しかしながら、見ると結構な急勾配! それに対し、階段の方はきちんと整備されていて、駅のホームと同じくらいの段差&傾斜です。ステップ感覚も安定しているので、自力歩行が可能な方なら、こちらの方が楽かも知れません。安全に、確実にのぼれるのではないかと思います。

因みに、この階段はY字状で、途中から南北二手に分かれています。そして、それぞれの頂点を結ぶように通っているのが音羽の滝から仁王門へ向かう外周道です。茶わん坂との標高差は、ビルの1〜2階といったところでしょうか!? なので、それほど長い階段ではありません。

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茶わん坂ゲートからの車道

ゆえに、一直線のスロープにすると、相当な急勾配になってしまいます。そこで、右に大きく回り込むように斜面が設置されている訳ですが、それでも勾配は相当なもので、自転車は押して上がらなければならないほどです。距離的にも、階段の方が断然お得です。

まずは一休みもありでしょう
茶わん坂入口前の階段を左、北側に進むと、僅かながら仁王門への近道になります。でも、ここはあえて右、南方向へ上るのが私のおすすめ。何故なら、この辺で一休みもありだからです。

という事で、南行き階段を上りきって直進すると、右手奥に茶店が見えます。そして、そこに隣接しているのは公衆トイレ。バスを降りて約1km、急な坂道や階段を上り終えたところにこのコンビが待ち構えていてくれるのは、何だかほっこりするじゃないですか。少なくとも、トイレだけは是非使わせていただきましょう。

実はこのトイレ、「はんなりトイレ」という立派な呼称まで付けられていて、京都市ご自慢のトイレ。“はんなり”とは、落ち着いた上品さを持ちながらも華やかさや明るさを兼ね備えているという京言葉で、まさにその名に相応しいおもてなしトイレです。昔は有料でしたが、今は無料になりました。

東棟と西棟に分割されていて、参道から見て奥になる西が一般の男女別トイレ、手前となる東が多機能トイレとなっています。どちらも外観と内装は和のデザインですが、設備は洋風で、以前の有料時代に負けず劣らずの快適さ、清潔さ、使い勝手の良さを誇っています。

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しかも、清水寺の境内には、参拝もたけなわという奥の院から音羽の滝に向かう途中に綺麗なトイレが設置されていて、勿論、多機能トイレ完備です。そのため、出口を通り過ぎた場所にあるこのトイレは、殆どの観光客がスルーします。お陰で、繁忙期でも比較的空いている穴場トイレです。

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