おでかけ

いながきの駄菓子屋探訪(5)静岡県富士宮市「だがし屋京ちゃん」

全国約250軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は静岡県富士宮市の「だがし屋京ちゃん」です。
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富士宮では駄菓子屋に焼きそばがある
富士山の麓の街、富士宮市。そして富士宮といえばB級グルメとして有名な「富士宮焼きそば」があります。「富士宮では昔から、駄菓子屋で焼きそばやお好み焼き等の鉄板料理を出している」という話を聞いていたので、焼きそば屋さんを探せば、必然的に駄菓子屋に当たるだろうという感覚で探してみました。

この街をうろうろしていて思ったのは、空気が澄んでいる感じがすることです。感覚的な部分なので説明が難しいのですが、森でもなんでもない街なかでも、鼻から空気を吸い込んだときに、引っかかりがないというか淀みがないというか。自分たちが普段暮らしている街とは明らかに違うので、息子に「なんか空気おいしくない?」と問いかけたところ、「味はない」と言われました(笑)。子どもにはちょっと難しい表現でしたが、とにかくフレッシュな感じがしました!
定年退職後、2015年にお店をオープン
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観光客向けのフリーペーパーに焼きそばを出すお店が多数載っており、その中に店名に「駄菓子」という表記があるお店を見つけたので、早速訪ねました。行ってみるとパッと見は最近作られた感じのお店という印象だったのですが、店内に入ると油のようなソースのような、いわゆるお好み焼き屋さんの香りがしっかり染み付いており、食欲をそそります。

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だがしや京ちゃんは2015年に店主ご夫妻が作った、駄菓子と鉄板料理という富士宮市の伝統的なスタイルを持った駄菓子屋です。地元出身のご主人はスーパーマーケット等の店先でお好み焼きや大判焼きを作る仕事を、奥さんはご主人とはまた別の会社で焼きそばを作る仕事を長年されてきたとのこと。B級グルメで注目された富士宮市内であっても、昔ながらの駄菓子屋は急減しており、この文化を未来に残していきたいと定年退職後にお店を始めたそうです。
自分が育った文化を未来につなぐ
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「子ども相手の商売をやりたいって、ずっと思ってたんですよ。もう年金もらってる年齢で、そんなに商売っ気出した値段で売らなくていいから、子どもたちも来やすいでしょう。自分はこの文化で育ったから、未来に残したいんですよ。駄菓子屋は減ってるけど自分で始めちゃえばゼロにはならないし、夫婦ふたりとも鉄板で料理作る仕事してたから、それも活かせるし、店で孫の面倒も見られるし、一石二鳥三鳥で楽しくやってますよ」

自分がお世話になった文化を未来につなぐ。全く同じ理由で駄菓子屋をしている宮永にとっては、だがし屋京ちゃんは先輩にあたるお店だと思います。店主ご夫妻の思いに共感しきりで、駄菓子を買っては話し、鉄板料理を注文しては話しでかなり長時間滞在し、お腹いっぱいになってしまいました。全国的には減る一方の駄菓子屋ですが、さまざまな場所でさまざまな思いから新しく作られている面もあります。昔ながらの駄菓子屋に加え、新しい駄菓子屋にも着目していきたい次第です。

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だがし屋京ちゃん
住所:静岡県富士宮市城北町234
電話:090-4867-9523
営業時間:11:00~18:00
定休日 月曜日

[All photos by Atsushi Miyanaga]

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