おでかけ

いながきの駄菓子屋探訪19東京都足立区「コスモ」世の中の大切なことが学べる貴重な店

全国約250軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は東京都足立区の「コスモ」です。
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懐かしいゲームが並ぶ有名店
東京都足立区にレトロゲーム(主に昭和後期~平成初期の家庭用・業務用ゲーム)好きの間ではとても有名な駄菓子屋があり、当時の風景そのままに営業中との情報をいただきました。インターネットで調べて写真を見ると、古いビデオゲーム筐体や昔からの在庫品が並んでいて、小学生の頃の記憶が呼び起こされます。流行りのゲームがやりたくて、ちょっと悪そうな中高生たちが出入りしている駄菓子屋に、ビビリながら通っていたなあ、と(笑)。今ではほとんど見かけなくなってしまった駄菓子屋ゲーセン。とても懐かしい気持ちになり、早速訪ねてみることにしました。
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関東の三大師、「西新井大師」のある東武線の西新井大師駅。商店が立ち並ぶ通りを南にしばらく行くと、戸建ての住宅が多くなってきます。車1台がようやく通れる一方通行の路地に入ると、古い自販機や年季の入ったガチャガチャなど、ひと目でそれとわかるお店がありました。店内は左側が駄菓子売り場で、右側がゲームコーナー。懐かしいオレンジ色の筐体がたくさん並んでいます。遊びに来る子どもたちは建物沿いにビシッと自転車を止めていくので、お店が課しているであろう規律をちゃんと守っていることがうかがえました。
ルールを守ってもらえば、おかしなことなんて起こらない
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コスモは、昭和58年(1983年)に店主ご夫妻が創業したそうです。元々は同じ場所で植木屋をしていて、子どもたち相手の商売がしたいと思い転業したとのこと。ゲーム機は1プレイ10円で駄菓子も安く、消費税分は切り捨て。これらは「誰でも、安く長く楽しめるように」というお2人の思いが反映されたもので、創業当初から変わらないこだわりなんだそうです。
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「宇宙について勉強するのが好きで、店の名前は最初『カオス』か『コスモ』で迷ったんだけど、カオスにしたらその名の通り無秩序な店になってたかもしれないからコスモで良かったよね(笑)。ゲーム機は昔から10円で、当時最新のやつでも30円。安いでしょ?儲からないから自分の子どもを育てるのが大変だったよ(笑)。一番すごかった頃はゲーム目当てで店から人があふれ出ちゃってたね。あの頃は『ゲームのある店=不良の溜まり場』だったから、学校から文句を言われることも多かった。でもさ、ちゃんとルールを作ってみんなに守ってもらえば、おかしなことなんて起こらずに楽しく遊べるんだよ。ちょっと悪いやつも時々いたけど、そういう子ほど、大人になってからもよく来てくれるよ」
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駄菓子の棚の奥に、開店した日の夜に書いたというご主人直筆の注意書きがありました。「年下をいじめるな」「店の人の話を聞け」等、厳しめの調子になっていますが、ある意味どれも当たり前に守られてほしい約束事。そして、ところどころに優しさや気遣いが散りばめられています。注意したり叱るのも、信頼関係があってこそ。コスモはただの駄菓子屋ゲーセンではなく、店主ご夫妻の愛情のもと、学校とも家庭とも違う世の中の大切なことが学べる貴重なお店でした。
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コスモ
住所:東京都足立区興野2-22-20
営業時間:14:00~18:00
定休日:月曜日

[All photos by Atsushi Miyanaga]


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