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【宮永篤史の駄菓子屋探訪8】北海道釧路市「まことやがん具店」店名と家訓が次の世代へ受け継がれていく店

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は北海道釧路市の「まことやがん具店」です。
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ローカルなお店の気の抜けた感じが最高

釧路市は、漁業・農業・製造業など多くの産業を持ち、阿寒湖や釧路湿原などの自然味あふれる観光地も抱える、北海道東部(道東)の中心都市。見どころがありすぎて、ついつい滞在が長くなってしまう街のひとつですが、そんな釧路にも、もちろん駄菓子屋があります。
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商店街や宅地が広がる釧路駅の北側。共栄新橋大通沿いに並ぶ商店の中に、「おもちゃ まことや」という切り文字の屋号が印象的な「まことやがん具店」がありました。外観は昔ながらのおもちゃ屋さんといった感じですが、駄菓子屋と書かれたのぼりも掲示されています。
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お店に入ると、「おお。いらっしゃい」と、カウンター内で寝転がってテレビを見ながら完全にくつろいでいる店主に迎えられます。お客さんが来るとムクリと起き上がり、定位置の椅子に腰掛ける、というのがルーティンのようです。この完全に気の抜けた感じが、常連さんのみが利用するローカルなお店、という感じがして最高です(笑)。

プラモデルのお宝も!?
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店内はかなり奥行きのある造りで、入って右側の通路の壁側の棚が駄菓子、それ以外はすべておもちゃやプラモデルが陳列されています。奥へ行けば行くほど古い在庫が多数あり、中にはお宝と思わしきものも。実際、掘り出し物を求めて遠方から来店する方もいるそうです。
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「昭和のおもちゃ屋、駄菓子屋の雰囲気を忘れないで」
まことやがん具店は、元々おもちゃや菓子類を扱う問屋で働いていた店主が、昭和55年(1980年)ごろに問屋兼小売店として独立するかたちで創業。釧路や根室の小売店に品物を配達しつつ自分のお店を運営し、かなり忙しかったそうです。店名は、誠実な人だったという店主の父親が家訓にしていた「誠」からで、「おれは不真面目だけど、店名だけはそれにしといた」とのこと。
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「駄菓子もそうだけど、いまだにプラモデルのお客さんが毎日来てくれるから、いろんな話ができて楽しいよ。長いことやってるけど、話すのが好きだから、飽きの来ない商売だよね。だけど自分はもう85歳。この場所も賃貸だから、そんなに長くはやれないのは決まっていること。だから、欲しい物があったら急いで買いに来たほうがいいよ、最後に儲けさせてください(笑)。みんなには、昭和のおもちゃ屋、駄菓子屋の雰囲気を忘れないでいてほしいな」
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「話せそうな人が来たら捕まえて、ずっとしゃべるのが好きなんだよ」と言う通り、完全に捕まり話すこと3時間!あとの予定は全部潰れましたが、おかげで道東の駄菓子やおもちゃの事情をたくさん聞くことができました。ニコニコと笑顔で語り、時に豪快に笑う元気な店主。エンディングを意識しての運営には少し寂しさも感じますが、最近、娘さん夫婦が中標津に「まことや」という同名の駄菓子屋を開いたとのこと。家訓の「誠」は、次の世代へしっかりと受け継がれていました。
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まことやがん具店(今村商店)
住所:北海道釧路市共栄大通2-1-2
電話:0154-24-6670
営業時間:10:00〜18:30

[All photos by Atsushi Miyanaga]


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