おでかけ

まるで水戸黄門?全国を漫遊した明治天皇の北海道訪問記

【TABIZINE 現地特派員による寄稿】

水戸黄門、つまり徳川光圀が諸国漫遊を行った話はおおむね架空の物語だそうですが、とにかく庶民の心をとらえて放さない魅力があります。

しかし、明治天皇が全国津々浦々を巡った話はあまり知られていません。なんと北海道まで訪れています。お供を従えてどのような大旅行をなさったのか、考えれば考えるほど興味が湧いてきます。

明治天皇が諸国行脚に出られた経緯
今でこそ天皇陛下は日本各地を訪れて、記念行事に参加されたり震災の地を訪れて国民を慰めたり励ましたりされますが、かつて庶民は写真を見るのも畏れおおかったと言います。

時代が江戸から明治になると、天皇が名実共に国家元首になりました。明治新政府として、これは天皇を世に知らしめなければいかんということになりました。そうして若き明治天皇は、諸国漫遊の旅に出かけることになりました。

明治天皇の東北北海道大巡幸
主立った巡幸は六大巡幸といわれ、最初の巡幸は1872年の近畿・中国・九州巡幸でした。そして第五回目の1881年には東北・北海道地方をまわる大旅行をされました。この天皇巡幸では、ちょうど今のように庶民との交流も行われたようです。黄門様より位の高い天皇陛下の二か月半にわたる北国漫遊は、各地に大騒動を巻き起こしたことでしょう。

当然のことながら政府の高官も同行する大行列になりました。東北地方を1か月かけて巡られた後、青森港から船で小樽入りされると、完成間もない手宮線鉄道に乗って札幌にやってこられました。小樽~札幌間を、汽車は一行を乗せて走りました。

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石狩湾の眺め

札幌での明治天皇
札幌に到着した明治天皇ご一行は、当時大通公園沿い(北1条西1丁目の市民会館の辺り)にあった豊平館(ほうへいかん)にご宿泊になりました。

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中島公園

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豊平館

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明治天皇が実際に泊まられた二階のお部屋

お声掛かりの柏
鼻小学校で休息された際、柏の大木をご覧になって近くの者に何の木か尋ねたという話が伝わっています。その「お声掛かりの柏」の木が、明治10年開校の山鼻小学校の校庭に今も残っています。一度枯れかかったものから生じた二代目の柏なのだそうです。

清華亭でご休息
この後、天皇は札幌駅のすぐ北側にある清華亭でご休憩されたことになっています。おそらく琴似屯田兵村の視察に行く途中で昼食のために休憩されたのでしょう。清華亭は内部も無料で見学できます。お座敷には、天皇が詠んだと伝えられる和歌の掛け軸などが掛かっています。

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清華亭

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清華亭内部 天皇の詠んだ和歌が掛け軸になっている

北海道稲作の父、中山久蔵経営の島松駅逓所
札幌での滞在を終えた明治天皇は、今度は陸路で室蘭を目指します。その際にご休憩されたのは、北広島の島松駅逓です。ここは、クラーク博士が明治10年に「少年よ大志を抱け」という言葉を語った場所でもあります。

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旧島松駅逓が今に残る

それから4年後の明治天皇のお立ち寄り。

この後、天皇陛下は室蘭に向かいそこから船で内歌湾を渡島へ渡り、函館より本州に戻られ東北をさらに巡幸されました。

まさに大旅行ですね。鉄道も未発達で飛行機もなかった時代に、日本の君主でこれほどまでに全国をまわられた方は明治天皇だけだと思います。ぜひ札幌のゆかりの地を訪れて、明治の天皇漫遊記に思いを巡らせてみてください。

[All Photos by Naoki]

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