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障害者スポーツ支援の輪を広げよう 「TEAM・BEYOND・FES丸の内」開催

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障害者スポーツや選手を応援する輪を広げる東京都のプロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として、10月12日から東京千代田区の丸の内を会場に「BEYOND FES 丸の内」が開かれている。13、14の両日は丸の内仲通り周辺でパラスポーツの体験会や有名選手のトークショーが開かれた。20日には渋谷区の青山学院記念館で車いすラグビーの観戦会を開催。パラスポーツを身近に感じてもらう試みが続いた。

オープニングステージには、2008年北京、16年リオデジャネイロル両パラリンピックの陸上走り幅跳びで銀メダルを獲得した山本篤選手、リオ大会カヌー代表の瀬立モニカ選手、04年アテネ大会から女子レスリングでオリンピック3連覇を達成した吉田沙保里選手が登場。今年のFESのテーマであるドラマチックな瞬間について思い出を語った。山本選手は「15年の世界選手権で調整中に腰に激痛が走り、もう終わったと思いながら跳んだら優勝した」瞬間を挙げ、瀬立選手は「リオ大会の時、会場からモニカ・コールが起きて緊張がほぐれた。きっと地元の観客にもモニカは発音しやすいのでしょう」と笑顔で話した。吉田選手は4連覇が掛かったリオ大会決勝で、自分がリードされていると意識した途端に「いつもは聞こえるコーチや母親の応援の声が聞こえなくなった。それは無というより、焦りが生んだものだと思う」。誰もが優勝は確実と思っていただけに、重圧のすさまじさが伝わってくる。

東京マラソンの終盤のコースにもなっている丸の内仲通りには、三菱商事、JXTGエネルギー、大日本印刷などの協賛スポンサーが展示ブース、パラスポーツ体験コーナーなどを設置し、ちょっとしたお祭りの雰囲気だ。カヌーのエルゴマシンで1分間にどのくらい進めるかに挑戦していた米北由紀さんは「以前、シーカヤックをやった経験はあるけど全然違う。腕がぱんぱんで、ものすごく疲れた。でもいい企画ですね」と、競技レベルの感覚を楽しんでいた。車いすフェンシングコーナーでは田中隼人さん、友美さん夫婦が対戦し、隼人さんは「車いすから立てないので難しかった。でも面白い。パラスポーツに興味がわいた」と話してくれた。このほかボッチャや、ゴーグルを掛けて何も見えない状態でガイド役の指示で走る体験コーナーにも人が集まっていた。

カヌーのエルゴマシンに挑戦
車いすフェンシングを試した田中さん夫妻

パラリンピアンのトークショーも開かれ、リオ大会女子マラソン銀メダルの道下美里選手は、伴走者で三井住友海上の同僚、河口恵さん、1984年ロサンゼルス五輪マラソン代表の増田明美さんが対談した。道下選手は「マラソンは失明して太ったのでダイエットで始めた」ことや、カーブでは伴走者の指示が重要なため聞き漏らすことはできず「声援は直線部分で掛けてほしい」ことを話した。増田さんが「河口さんは可愛い人」と話すと「それは感じます。男性の声が違うんです」。道下さんの鋭い推察に会場は笑いの渦に。こういうやりとりで、パラアスリートがぐっと身近になっていった。

トークショーに登場した右から河口さん、道下選手、増田さん
ゴーグルを付け、河口さんの伴走でゆっくり走る参加者

また、アスリートを応援する「絵てがみ」や「音楽パフォーマンス」を全国から募集し、その授賞式も小池百合子・東京都知事が出席して行われた。絵てがみ部門は浅利雪那ちゃん、音楽パフォーマンス部門は吹奏楽とパフォーマンスを組み合わせた東京都練馬区立田柄中学の「チームTGR」が、都知事賞を受賞。小池知事は「TEAM BEYONDの輪は広がり、現在約120万人が登録している。東京大会はオリンピックのみならず、パラリンピックが盛り上がれば成功と呼べる。パラリンピックから入場券が売り切れるような大会にしましょう」とサポートを呼び掛けた。

音楽パフォーマンス部門の受賞者と記念写真に収まる小池知事(中央)