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選手とコーチが一つになり8連覇 日大、重量挙げで盤石の王座

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 個人と団体を競う重量挙げの第66回全日本大学対抗選手権が3月5日から7日まで、埼玉県上尾市スポーツ総合センターで開かれ、個人3階級を制した日大が合計183点で九州国際大に33点差をつけ、8年連続21度目の優勝を遂げた。18度優勝のライバル法大との差を広げ、大学トップの座を盤石なものにしつつある。難波謙二監督(生物資源科学部教授)は「団体は選手とサポートが一つにならないと勝てない。8連覇は素晴らしい成果だ」とコーチや部員たちの努力をねぎらった。

力を発揮、2枚看板

 この大会は例年、秋に行われるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、年度末の3月に開催された。全国最多、46人の部員がいる日大は、10階級のうち8階級にエントリー。初日に行われた最も軽い55キロ級で、久保海斗(4年、福井・坂井)が2位と好スタートを切った。2日目には日大が誇る〝2枚看板〟が登場。73キロ級の山根大地(4年、栃木・小山南)はスナッチ142キロでリードすると、ジャークは175キロの大会新を成功させ、トータル317キロ=大会新=で快勝した。これを見て奮起したのが81キロ級の宍戸大輔(4年、福島工)。自身が持つ日本記録(153キロ)に迫るスナッチ150キロを挙げ、ジャーク185キロと合わせ335キロの大会新で圧勝した。

 卒業後は自衛隊に進む山根は「4年間が終わりほっとした。4年生になってから記録が伸びたのがうれしい。社会人になって(2024年の)パリ五輪を目指したい」と目を輝かせた。山根とは高校時代から大会や強化合宿で一緒になりライバル視していたという宍戸は「この大会でジャークの日本記録(192キロ)更新を狙っていたので残念。ただ団体で自分の役割は果たせた」。今後も競技を続け、目標はパリ五輪という。

73キロ級で快勝した山根大地(4年、栃木・小山南)
73キロ級で快勝した山根大地(4年、栃木・小山南)
81キロ級で圧勝した宍戸大輔(4年、福島工)
81キロ級で圧勝した宍戸大輔(4年、福島工)

最後を締めた主将

 九州国際大は重いクラスに好選手がそろっており、日大にすれば重量級の出来が連覇の鍵。ここで下級生が頑張った。89キロ級で持田慶貴(2年、山梨・吉田)が3位に入り、期待の一年生、96キロ級の不破翔大(神奈川・日大藤沢)が6回の試技をすべて成功させ2位に食い込んだ。不破は「この大会前の練習は緊張感に満ちていた。責任を果たせてほっとしている」と胸をなで下ろした。

 そして最後を締めたのはやはり4年生。主将の109キロ級、牧野達樹(兵庫・須磨友が丘)がトータル323キロの大会新で優勝した。佐久間武文(2年、宮城農)も4位。この階級での大量点が効いて日大の総合連覇が決まった。牧野は「個人の優勝は狙っていた。それを達成した上で、チームにも貢献できた。楽しい4年間だった。重量挙げには思い出がいっぱい」と振り返った。卒業後は地元に戻り競技を続け、指導者としての勉強も始めるという。

109キロ級、主将の牧野達樹(兵庫・須磨友が丘)
109キロ級、主将の牧野達樹(兵庫・須磨友が丘)

将来の人材を育てる

 新旧交代も進み、個人競技でありながらチームワークを学ぶ雰囲気も十分に備えている日大。難波監督は「重量挙げは努力した分、自分に返ってくる競技。一人一人が、どう力を発揮するか。各自の自覚が大事」と連覇を続けるための要点を挙げた。最多の部員がいることもあり、会場内で裏方を務めている日大部員は多い。資金も人員も豊富ではない重量挙げのような競技にとって、プラットホーム(競技の舞台)に立たない学生の協力は大会運営に不可欠だ。こうした経験が将来、重量挙げを支える人材の育成につながっていく。日大が育てているのは選手だけではない。