ランチタイムに話したくなる!? 夏休み自由研究のテーマにも使えるかも! 飲み物の容器トリビア6選

1 ここは、都内のオフィス街に設けられた小さな公園。「あれっ?」と声をあげたのはOLのしおりさんです。同期のアリサさんと待ち合わせて遅めのランチをしようと、コンビニで買ってきたバゲットサンドと飲み物を取り出したときでした。いつも自分でお弁当を作ってくるアリサさんがお弁当と一緒に取り出したのはキリンの「午後の紅茶 おいしい無糖」。偶然にも、しおりさんが買った飲み物と同じです。「あら、同じ・・・」と心の中でつぶやいたしおりさんが、「あれっ?」と声を出して驚いたのは、同じ「午後の紅茶 おいしい無糖」なのに、ペットボトルの形が違うことに気付いたからでした。

 「ねぇ、ねぇ。同じ商品なのにペットボトルが違うよ。これどこで買ったの?」

 「えっ、これ? そこの自販機だよ。あなたのはコンビニでしょ。言われてみると形が違うわね」

 「何で~? 不思議~!」

 同一商品が違う容器に入って売られていることにたまたま気が付いた2人でしたが、実はキリンの製品は、中身だけではなく容器にもいろいろな工夫が凝らされています。例えば「午後の紅茶 おいしい無糖」のペットボトルはなぜ2種類あるのでしょうか? 食事のお伴に無糖の紅茶を!と考えるオシャレさんには、コンビニで売られているスマートな容器がもちろんぴったり。けれどもこのスタイリッシュな容器を自販機に十数本も詰めると、下に行くにつれて過大な荷重がかかり、下の方のボトルはつぶれてしまいます。そのため、自販機用として、荷重に強い別の少し重く丈夫なデザインのボトルが採用されたのです。

 このように、普段の生活の中ではあまり気付くことがなくても、実は容器や包装パッケージにはその形状に作られている、ちゃんとした理由があります。今回は、キリン株式会社CSV戦略部シニアアドバイザーの山村宜之さんに教えていただいた“パッケージに隠された秘密”を、トリビア形式でご紹介していきましょう。ランチタイムに同僚に披露してもよし、お子さんの夏休み自由研究のネタにしてもよし、はたまた飲み屋で出会った外国人旅行者に教えて驚いてもらってもよし。きっと何かの役に立つことでしょう。

 

トリビア1
なぜ飲み口が白いペットボトルがあるの?

 

2 ペットボトルは中に詰める飲料の性質と充填方法によって、ボトルに求められる性能が異なります。そのため、形状や強度など異なる性能をもつ、さまざまなペットボトルが存在しています。飲み口が白いものは、果汁など高温殺菌した飲料をそのまま充填するため、PET樹脂を口の部分だけ白く結晶化させ耐熱性をもたせているのです。そこだけ白い部品をはめ込んでいるわけではないんです。なんかすごくないですか? 耐熱用ペットボトルには、中身が冷えたときに収縮して変形してしまわないように容器表面に凸凹の板状の溝(パネル)が設けてあったり、容器が厚くて硬めになっていたりという特徴もあります。

 ペットボトルには、そのほかに炭酸飲料などを入れるための耐圧用ペットボトルや、お茶などを常温で充填している無菌充填用ペットボトルがあります。耐圧用は炭酸飲料による内部からのガス圧に耐えられるよう丸くて凸凹が少なく、厚くて硬めに作られ、容器下側がペタロイド(花弁)という形状になっているのが特徴です。無菌充填用は常温で充填しガス圧もないことから薄くて軽く作られています。 

 

トリビア2
2Lペットボトルを国産最軽量にするために筋力を計測した?

 

アルカリイオンの水 28.9gと国産最軽量を誇る「アルカリイオンの水」の2Lペットボトルですが、一朝一夕で軽くできたわけではありません。1999年には63gでしたが、3度のモデルチェンジを経て2015年には28.9gの軽さを達成しました。この間に作られた試作品は1,000を超えるはずです。

 ペットボトルは、軽量化しようとして薄くするといろいろ問題が出てきます。ひとつは箱詰めされたあと流通段階で何段にも積まれると、下のものほど荷重がかかり、軽くて薄いとつぶれてしまいます。そのときつぶれないように、側面に試作とコンピューターシミュレーションを繰り返し見出されたスパイラル状の溝を16本作って、上からの荷重に耐えうるような構造にしています。

 また、胴体の中程にくぼみを付けていますが、パッケージング技術研究所では、腕に電極を着けてペットボトルを持つ際に必要な筋力を測定することができるので、それによって持ちやすい形状を見出し、最終的に現在の形に決定しました。

 

トリビア3
リターナブルびんを軽量化できたのはセラミックスコーティングのおかげ

 

新一番搾り軽量中びん 空になったリターナブルびんは、約4カ月の間にほぼ100%が工場に戻り、きれいに洗浄されビールを充填し再び出荷されていきます。丁寧に使われるリターナブルびんの寿命は8年ですから、約24回もリユース(再使用)される計算になります。繰り返し使われるリターナブルびんに求められるのは、商品の品質を守ること、繰り返し使っても割れない、傷つきにくい強さ、そして「軽さ」です。 薄くすることで、素材の使用量を減らし軽くできますが、そのままでは強度が低下してしまいます。そのため、キリングループでは、外表面に薄い皮膜をつくる「セラミックスコーティング」という独自技術を施してヒビや傷がつきにくいような工夫を施し、薄くしながらも強度を保つようにしています。それにより、中びんは470gから380gになり、90gも軽くすることができました。

 「セラミックスコーティング」の軽量中びんは2014年から導入され、現在、市場には軽量中びんと従来のびんが混ざっていますが、10年かけて入れ換わる予定です。なお、キリンの大びんはすでにすべて「セラミックスコーティング」された軽量びんに切り替わっています。

 

トリビア4
缶ビールの胴体部分は髪の毛の太さと同じくらいの厚み!

 

缶口径比較 ビールの缶の厚みは胴体部分で約0.1mmと、なんと髪の毛の太さと同じくらい。これ以上薄くするのは強度的に難しいので、プルタブが付いている缶蓋の形状を工夫することで軽量化して資源の削減を図っています。具体的には、缶蓋の口径を小さくしてアルミの使用量を減らしたり、缶蓋断面の形状を工夫して強度を向上したりしています。ちなみに、アルミは「電気の塊」といわれるくらい、原料のボーキサイトから作り出すのに電力を使用します。アルミ製品をリサイクルして再利用すれば、一から作り出す場合に比べて3%ぐらいの電力ですむんですよ!

 

トリビア5
缶ビールの段ボールはカドをそぎ落としてどんどん紙の使用量を減らしている

 

 キリンビールの缶ビールの段ボールは、まず2004年に「コーナーカットカートン」が導入され、四隅をタテにカットして側面が4面から8面になりました。それによってケースを積み重ねたときの荷重に強くなったため、紙の強度を少し弱めてもよくなり、段ボールの中芯(波状の部分)を薄くすることができました。強度を落とさずに紙の使用量を減らすことができたわけです。紙の使用量はトータルで10.9%減りました。さらに開発された「スマートカットカートン」では、長側面と呼ばれる上面の(2辺)もカットしています。缶の上部の直径が小さくなり、横からみると角が斜めにカットできるようになったことから実現したデザインです。紙の使用量はさらに約16%も削減されています。

 

トリビア6
キリンには容器やパッケージを専門に開発する研究所がある

 

 実はキリンには、食品メーカーには珍しく、パッケージング技術研究所というパッケージを専門に開発する部門があります。歴史的な経緯をお伝えすると、かつてキリンビール横浜工場ではビールびんや王冠を工場内で作っていましたが、1956年(昭和31年)にビールの製造量増加に伴い自社生産をやめました。そのときびんの生産部門の一部が容器の研究開発に携わることになったのです。専門の研究所を持つことで、それぞれの商品に最適化したパッケージ技術や、他社に先駆けた開発が可能になったというわけです。

 キリンでは環境問題に力を入れていますが、環境負荷を減らすためには、容器の軽量化やパッケージの材料を持続可能なものにしていくことが不可欠。見た目にはあまり気付かない容器やパッケージの地道な改良には、そんな目的もあるのです。

 さて、冒頭に登場したしおりさん。「午後の紅茶 おいしい無糖」のペットボトルが2種類あることに気づいたその日、帰宅するとさっそくインターネットで「KIRIN 容器 違い」で検索。すると、キリンのホームページの「ペットボトルにいろいろな種類がある理由」「やさしいパッケージ」といった項目がヒットしました。読んでみると、容器に関するさまざまな解説が驚くほどたくさん載っています。そして、「へぇ~」「ほぉ~」を連発しながら読み進めるうちに、「キリン環境クイズ」というコーナーを発見しました。(※応募の締め切りは6月25日(月)24時です) なんと全問正解した人の中から抽選で100人に「キリン 一番搾り生ビール」や「キリン 午後の紅茶+エコパンダパペット」がプレゼントされるとのこと。ヒントも付いているので楽勝です。容器に詳しくなったしおりさんが応募したのは言うまでもありません。