国内で27のホテルを展開するホテルマネージメントジャパン(東京都港区、HMJ)はこのほど、HMJグループホテルの料理人が料理の腕を競う「第6回メニューコンテスト」を神戸市で開いた。最優秀賞には中嶋大樹シェフの「サーモンジェラート パスタの再構築」が輝き、優秀賞には黒岩直弥シェフの「箱根 秋の情景 鹿のロースト 紅茶の湯煙」が選ばれた。最優秀賞は中嶋シェフが所属するヒルトン東京お台場(東京都港区)で10月1日〜12月31日、優秀賞は黒岩シェフが腕を振るう箱根リトリートföre & villa 1/f(神奈川県箱根町)で12月1日〜15日、各レストランでの提供を予定している。

メニューコンテストは、発想力や向上心ある料理人をたたえるとともに、調理スタッフの技術向上やホテル料理部門の交流促進などを目的に開催している。
審査委員長はHMJ コーポレートエグゼクティブシェフの井本信一郎氏が務め、特別審査員に米国歴代3大統領の公式晩餐会を指揮した山本秀正氏、「薪焼 銀座おのでら」料理長の寺田惠一氏を迎え、▽見た目▽味▽プレゼンテーション力▽ストーリー▽審査員独自の視点、計5項目で審査した。
同コンテストには13人の料理人が出場。調理の持ち時間は1人10分。鹿、合鴨、カンパチ、サーモン、リンゴ、柿、かぼちゃ、ブドウ、イチジク、小豆、クラフト酒、和三盆、かんきつ類の指定食材13種類のうち3種類以上を使って単価計算1200円以内の1皿料理を作った。それぞれの技術や感性、食材・地域への思いを込めたシェフこだわりの料理がそろい、料理コンセプトや食材の生かし方など料理のポイントを自ら説明してアピールした。

最優秀賞の「サーモンジェラート パスタの再構築」は「サーモンとほうれん草のレモンクリームパスタ」を“デザート”として再構築した点が最大の特長。その独創的な発想と違和感なく一皿として成立させた完成度が高く評価された。
中嶋シェフは「ヒルトン東京お台場に入社する前からこのコンテストの存在を聞いており、過去の作品を見ながら、この4カ月間どのようなメニューにするか考えてきました。塩味やうま味の要素を、どうデザートとして生かすか、一皿と向き合い続けた4カ月でした。支えてくれたメンバーへの感謝を大切にしながら、これからもさらに良い料理をつくれるよう努力していきたい」と喜びを語った。
優秀賞の「箱根 秋の情景 鹿のロースト 紅茶の湯煙」は、地元箱根の鹿による農作物被害に着目し、地域課題の解決に寄与する料理の新たな価値を追求した一皿。神奈川県産の鹿肉に秋の実りを合わせたほか、「箱根の秋の獣道」を表現したストーリー性や温泉の「湯煙」をイメージさせる工夫など、箱根の秋の情景表現を意図した構成が好評価につながった。

黒岩シェフは「最優秀賞を取るつもりで頑張ってきましたが、今回のコンテストでは自分の足りない部分にも気づきました。今日は素直に喜び、次回の最優秀賞を目指してこれから頑張ります」と捲土重来(けんどじゅうらい)を期した。
審査委員長の井本氏は「世界で活躍する外部審査員のお二人と審査する中で、私自身も新しい食材や発想に触れ、非常に勉強になる機会となりました。このコンテストが、参加したシェフの皆さんにとっても、次の挑戦につながる機会になればと思います」と語った。

特別審査員の山本氏は「皆さんが一皿をただ作るのではなく、何度も何度も作り直し、最後に完成させてこの場で披露したことに大きな意味があります。これからも切磋琢磨しながら、さらに良い料理を作ってほしい」と話した。もう一人の特別審査員、寺田氏は「20代前半の方からベテランの方まで、それぞれが一人ではなく、いろいろな人に支えられながら料理を作っている。その思いが皿の上に表れていました」と述べた。
HMJの荒木潤一代表取締役は「家族や友人同士でホテルのテーブルを囲み、笑顔で過ごす時間の中心にある“食”がホテルにおける体験価値の大きな柱である」との考えを強調した上で、「HMJグループホテルには仕事へのプライドや高いモチベーション、成長意欲を持つ調理スタッフが数多くいるが、これまでその実力に十分に光を当てる機会をつくれていなかった。コンテストは料理人一人一人がその持つ力を発揮し、さらに成長するための機会として位置付けている」と話した。

HMJの親会社であるシンガポールの不動産投資会社SCキャピタル・パートナーズのエグゼクティブ・ディレクター、ターニャ・チアラヌサッティさんも来賓として参加し、HMJが経営・運営する国内27ホテル、50超の料飲施設を念頭に「レストランを単にホテルを支える施設としてではなく、ゲスト(客)がホテルへ行く目的そのものにしていきたい」とあいさつした。







