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プレ思春期が始まった 【平井理央 コラム 直線・曲線・斜め線】

 先日、娘が9歳になりました。

 まだまだ小さいと思っていたら、いつの間にか自分で電車に乗って習い事に向かい、この夏には2泊3日の合宿にも参加。できることが、どんどん増えています。

 一方で、私がちょっと忙しくて生返事をすると、「ちゃんと返事して!」「ママ、聞いてるの?」なんて厳しいひと言。思わずムッとしてしまうこともあります。

 言うことは一丁前になってきたけれど、夜はまだ一緒に寝たいし、甘えん坊なところも健在。大人びた一面と幼い一面が入り交じる娘に、どう接するのがいいのか、戸惑うことも増えてきました。

 そんなときに知ったのが、「プレ思春期」という言葉。

 思春期の入り口に差しかかる頃、子どもは少しずつ自立心を強めていきます。学校や習い事では求められることが増え、自分で考えて行動したい気持ちも強くなる。でも、感情を調整したり、思い通りにいかない状況に対処したりする力は、まだ発達の途中です。

 実際、思春期の脳では、感情やストレスへの反応に関わる機能が変化する一方、計画を立てたり、衝動を抑えたりする力は時間をかけて発達していくことが分かっています。

 もちろん、9歳になったからといって、すべての子どもに同じ変化が起きるわけではありません。それでも、自分でやりたい気持ちと、まだ甘えたい気持ちの間で揺れる姿を見ていると、まさに今、そんな時期なのかな? と思うのです。

 では、親はどう接すればいいのか。

 調べてみると、親が先回りして何でも解決するのではなく、子どもが自分で考え、試行錯誤する機会を大切にすること。そして、必要なときにはいつでも頼れる存在でいることが大切なのだそうです。

 ふむふむ、なるほど、なるほど…。

 理屈はよく分かります。でも、目の前でモタモタしていたら、つい口を出したくなるし、何度言っても動かなければイライラする。こちらだって時間に追われているし、いつでも心に余裕があるわけではありません。

 そんな芸当、できません!!

 子どもの成長に合わせて、親もまた、接し方を変えていかなければならないのですね。

 娘は少しずつ親の手を離れようとしている。でも、まだまだ私を必要としてくれる。その絶妙なバランスを楽しめるくらいの余裕を、私も持ちたいものです。

 わが家のプレ思春期は始まったばかり。

 プレ思春期の娘と、プレ更年期の母。お互いの心の揺れと付き合いながら、試行錯誤の日々は、まだしばらく続きそうです。

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.41からの転載】

平井理央(ひらい・りお) 1982年東京生まれ。2005年、慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビ入社。スポーツニュース番組「すぽると!」のキャスターを務め、オリンピックをはじめ国際大会の現地中継などに携わる。13年フリーに転身。ニュースキャスター、スポーツジャーナリスト、女優、ラジオパーソナリティー、司会者、エッセイスト、フォトグラファーとして活動中。