高校生が開発した進路指導AI「しろちゃん」がアップデート 多様な進路選択をサポートし、学校現場の進路指導にも対応

　高校生と大学生によるビジネスコミュニティー「First off Projects」は、進路指導AI「しろちゃん」のアップデートを発表した。

　しろちゃんは、2024年8月に公開された高校生向けの進路指導AI。First off Projectsに所属する高校生のチームが開発した。高校卒業後の進路が多様化する中で、「大学進学」以外の選択肢を高校生に知ってもらいたい、という思いから生まれたシステム。また、多様化する進路指導で負担が増えている先生たちをサポートすることも目指している。

　一般的な情報サイトのように大学や専門学校の情報を一方的に提案するのではなく、AIとの対話を通じた自己分析が特徴。また、日本の大学進学のほか、起業、海外大学、通信制大学、ギャップイヤーなど、従来の進路指導では十分に対応しきれない多様な進路についても、対話の内容に応じて提案を行う。

　アップデートのポイントは2つ。まず、これまでのしろちゃんは、LINEの友達登録が必須だったが、「LINE登録に抵抗感がある」との声を受けて、ブラウザ上でも登録なしで利用できるようになった。従来のLINE版も引き続き利用可能で、自分がアクセスしやすい方法を選択できる。

　次に、ブラウザ版に、相談内容をガイドする選択肢機能を搭載した。従来のLINE版では、自分で質問内容を考える必要があったが、「何を質問すればいいかわからない」という課題に対応した。自由に入力する機能も引き続き利用可能で、これまでより手軽に相談できるようになっている。

　進路を考え始めた高校生の日常的な相談相手としてだけでなく、学校での進路指導サポートツールとして活用してもらうことを想定。生徒が事前にしろちゃんを使って自己分析や進路の検討を済ませることで、先生との進路相談もより深く充実したものになることを期待している。学校現場の先生たちからの意見や要望も募り、それを反映させて引き続き改良を進めていくという。

　First off Projectsは、高校生と大学生のためのビジネスコミュニティー。法人向けIT研修サービスを提供するスタディメーター(東京)の研究機関としての役割を担う。メンバーは資金や学習機会の援助を受ける代わりに、本人の関心に基づいたサービスの開発や学習レポートの作成を行い、新技術に関する知見や新規事業創出の事例を同社に還元している。