-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?
それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話をしていたと思ったら、急に嫌みなことを言って、感情の波がすごく激しいんです。そうした流れも、文字で見ていると難しく感じますが、役者の声を通して聞くと、バカバカしく思えたり、シニカルだったり、より立体的に立ち上がってくるので、今回もきっと皆さんの声で立ち上がってくることで、変わると思います。
-本作の舞台となるプラハにも実際に足を運ばれたそうですね。
視察という名の旅行でしたが(笑)。本当は、今回は行くつもりなかったんですよ。でも、「うま」の稽古中に、佐助くんが「ちょっと分からないから、行ってくる」と言っていたので、「佐助くんが行くなら僕も行かないと」と思って。歴史的な建造物や劇場を見たり、プラハ城や大聖堂に行ったりと、観光してきました。プラハ城は、高台にあるので、そこからプラハの街並みが見下ろせるんですよ。すごく美しかったです。すごくいい思い出になりましたし、街並みを見られて良かったなと思います。楽しかったです。
-ところで、小瀧さんは、7月に30歳を迎えられましたが、心境の変化はありましたか。
「男は30から」とよく言いますが、これ以上ない30代にしたいと思っています。30歳を迎えるタイミングで、こうしたチャレンジングな舞台に出演させていただけることは、とても幸せです。しかも、大好きな小川さんの演出で大好きな役者さんもたくさん出ていて、僕史上最難関の作品です。せりふを覚えることも、言葉の意味や比喩を考えて、調べて、覚えていくのも大変だと思いますが、自分は何事も理解してからでないと気が済まない性格なので、この膨大な情報量とせりふ量を処理しながら、頑張りたいと思います。
-ヤンにとってのロックンロールは、自分らしさや自由、生き方につながっているように感じましたが、小瀧さんにとって「これがあるから自分らしい」というものはありますか。
表現、パフォーマンスは僕の根底にあり続けるものだと思います。そして、そうした表現で、ファンの方に喜んでいただくということはこれまでも、これからも変えるつもりはありません。映像も好きですし、映像にしかない良さもあると思いますが、今回の舞台のように生で見ていただくというのも好きなんです。劇場に足を運んで、役者たちが役を生きる姿を見るというのは、風情があると思いますし、舞台やミュージカルでしか感じられない良さがあると思います。表現の場はいろいろとありますが、いずれにしろ、表現者、アーティストであることが自分らしいと思うものです。
-表現をしていない自分はこれまで考えたことがなかった?
デビューしてからは、迷うことはなく。これからもファンの皆さまの声に応え続けたいという思いです。
-公演を楽しみにされているファンの方にメッセージをお願いします。
今回、東京建物 ぴあ シアターという劇場に初めて立ちます。初めての場所に立てるということもすごくうれしいです。敬愛する小川絵梨子さんの作品で、ファンとして憧れていた役者さんとも再共演できます。少し難しい戯曲かもしれませんが、この人たちの生き様や信念、理想、主義がどう交差して、導かれていくのかを目撃していただければと思います。もしかしたら、ある程度、時代背景や当時の流行の音楽、当時の人物などに触れておくと、よりこの「ロックンロール」の世界観を体感できるのではないかと思いますが、あまり難しく考えすぎず、楽しんでいただけたらと。ぜひ、僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文・写真:嶋田真己)
「ロックンロール」は、11月6日(金)~8日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、11月13日(金)~12月6日(日)に都内・東京建物 ぴあ シアターで上演。
公式サイト https://rocknroll-stage.com








