
-お話を伺っていると、参加した皆さんが一丸となって作り上げたすてきな現場だったことが感じられます。
相葉 原作・脚本の平山讓さんは、取材から含めて30年くらいこの作品と向き合っていますし、稲垣(壮洋)監督も何年もの時間をこの作品に費やしていると聞いています。そういう思いを知っている分、皆さんが後悔するようなことになってはいけないと、僕も真剣に作品と向き合い、意見交換はしっかり行うように心がけました。
黒島 選手役の障がい者の皆さんも、ただ言われたことをやるだけでなく、「自分はこうしたい」、「私はこうしたい」など、皆さんがそれぞれの意見を持っていたので、それを話し合ってすり合わせる時間の大切さを、今回の現場で実感しました。その結果、素晴らしい作品が出来上がったと思います。
-お二人は野球好きでも知られますが、この作品を経験して、身体障害者野球に対してどのような印象を持ちましたか。
黒島 身体障害者野球の全国大会や世界大会があることを今回、初めて知りました。YouTubeでも配信していることを教えていただき、身体障害者野球を盛り上げるための環境づくりも頑張っているので、私自身もっと見てみようと思いました。
相葉 身体障害者野球では、一人一人、障害の程度が異なるため、「こうしたら速く投げられる」などといった“教科書”がないので、選手それぞれが自分なりの方法を見つけてくるんです。皆さん、それくらい野球が好きなんですよね。ルール上盗塁がない分、ピッチャー対バッターの真剣勝負になるので、その潔さは見ていて楽しいです。
黒島 そんなふうに、ルールは障がい者の方に合わせて工夫されていますが、選手たちの熱量は、私たちがよく知る野球とまったく変わりません。だから、この映画をきっかけに、より多くの方に知っていただけたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)








