「え、これ輪島塗?」っていう驚きを <「atee」「ヌシヤ」>
「パッと見で『すてき』『かわいい』と手に取ってもらって、その後に『え、輪島塗なんだ!』ってなるようなものを」。桐本さんや小路さんと「わじま工迎参道」を作る仲間で、輪島塗のアクセサリーブランドを展開する「atee(アテエ)」の鳳至(ふげし)那美さんと「ヌシヤ」の浦出真由さんは、日常生活の中で使う魅力をもっと感じてもらえるパワーを漆のアクセサリーに宿らせたいと考えている。

浦出さんは、福岡県のジュエリーブランド「Klar(クラー)」と一緒に新しいヘアアクセサリーブランド「Lin;(リン)」を立ち上げ、輪島塗のバレッタを開発。下地、布張りから塗り、蒔絵まで職人の伝統的な技術をしっかり使った高級品になるが、「今までとは違う、ファッションに近いジャンルの販売先にもアプローチが広がりました」
一番人気のカラーは白。白は、器などの輪島塗でメジャーな洗朱(赤)、黒より使用される割合が少ないカラーだが、これまで輪島塗にあまり触れたことのない人たちの心もとらえている。

鳳至さんも、新たに「BALL(ボール)」シリーズのイヤリングを誕生させた。工房が焼失した職人が本格的に再稼働できたことで、漆玉の生産が8~9割まで戻っている。震災後、作れなくなっていたコーラルピンクの「桃」、グリーンの「薄葉」――。
キラキラ光る独特の照り感がある漆玉に天然石などを組み合わせる鳳至さんのデザインは、「職人さんが塗っているからこその美しさで成り立つ」という。これからは、さらに「輪島塗だから、でなく『着けたい』から買いたいと思ってもらえるフェーズを目指したい」

▽ずっと求め続けられるものに
未来は続いていく。「ずっと求め続けられるものであるために、どんなモノづくりをしていくか」。ようやく見えてきた復興の先を見据え、輪島塗の担い手たちは、力強く歩んでいる。







