不良ケーブルの更新を促進　三井住友海上、九州電力のケーブル遠隔診断サービスに付加する保険開始

　三井住友海上火災保険（東京都千代田区）は九州電力（福岡市）と電気設備の予防保全に関して協業し、九州電力の自家用構内ケーブル診断サービス「PDLOOK（パドルック）」に連動した保険「ケーブルあんしん補償保険」の提供を2023年7月6日から開始した。

　PDLOOKの診断結果に基づき、三井住友海上は故障前の不良ケーブルの交換費用などの一部を保険金で補償する。早期の設備更新を促し、停電・火災事故のリスクを減らすことが狙い。

　特別高圧ケーブルなどの自家用構内ケーブルは、経年劣化で停電事故や火災発生リスクがあるものの、点検には操業停止の必要や技術的課題のために設備劣化をタイムリーに把握することが難しかったという。このため九州電力は2022年8月から、事業活動を止めずに遠隔でケーブル劣化傾向を監視・把握するPDLOOKの提供を開始した。しかし劣化状況が分かってもケーブル交換の労力と費用が大きく設備更新にまで至らないケースがあることが課題となっていた。

　これに対し三井住友海上は、PDLOOKに保険を組み合わせ、診断内容に応じて故障前にケーブル交換費用などを支払うことで、自家用構内ケーブルの設備更新を促す保険を開発した。

　三井住友海上と九州電力は「日本の産業の未来の安心・安全を支えるパートナー企業として、相互に理解を深めながら、設備保全分野における新たなソリューションの展開に努め、持続可能な社会の実現に貢献する」としている。