地域でボランティア活動に取り組む青少年を応援するプログラム「第21回ボランティア・スピリット賞」（プルデンシャル生命保険、ジブラルタ生命保険、プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険などが主催）の関西地区の表彰式が11月５日、京都市内で開かれた。

　この賞は1995年に米国でスタートし、今では日本を含め、８カ国１地域で開催。ボランティア活動をしている12～18歳の青少年であれば、だれでも応募できる。日本では今年で21回目となった。地域貢献度や発想力、企画力などを総合的に審査し、文部科学大臣賞、スピリット・オブ・コミュニティ奨励賞、ブロック賞などの各賞が授与される。

　11月には各地域のブロック表彰式、12月には全国表彰式（大阪国際会議場）がそれぞれ開催され、全国表彰式に参加した団体・個人の中から、代表者２人が「米国ボランティア親善大使」として、全米表彰式に派遣される。

　今回、関西地区では、２府（京都、大阪）３県（滋賀、和歌山、兵庫）の中学、高校の計21団体と、２人が受賞した。そのうち、全国表彰式に進むことができる「ブロック賞」には、智辨学園和歌山高等学校の堀江風花さん（個人）、大阪府立堺工科高等学校　定時制の課程　堺工科エコプロジェクト、京都府亀岡市立東輝中学校生徒会本部、京都市立伏見工業高等学校　工学探究コース、兵庫県立洲本実業高等学校　ソフトエネルギー研究ユニットが輝いた。受賞団体・個人には、活動支援金５万円、表彰状、銀メダルが贈呈された。

　また、コミュニティ賞には、滋賀県立八日市南高等学校　地域支援活動同好会や、大阪府立農芸高等学校の城有希さん（個人）ら、17団体１個人に贈られた。

　ブロック賞を受賞した京都府亀岡市立東輝中学校生徒会本部は、「Ｄay Greeting Day」と称するあいさつ運動を実施するほか、校庭にある大きなイチョウの木から落ちるギンナンの実を、生徒会で拾い集め、生徒自身の手作業で加工し、ＰＴＡのバザーで販売。その売上金を、東日本大震災で被災した福島県双葉町の教育支援金という形で送るほか、今年は、熊本地震の影響で破損し、銀杏城（ぎんなんじょう）とも呼ばれる熊本城の再建にも役立てもらおうと、売上金から寄付をした。
　表彰式に参加した、亀岡市立東輝中学校生徒会本部で生徒会長を務める、３年の植村友咲（うえむら・ゆうさ）さん（１４）は、「もともと校庭にあった大きなイチョウの木は、切ってしまおうという話があった。しかし、とても良い実がなるということで、売ってみてはどうかと企画したものです」と振り返った。
　「生徒会本部のメンバーや、校内の希望者が、秋のバザーで売っています。双葉町のみんなとはこれまで、手紙やスカイプで交流を続けていますが、今後は行ってみて、さらに交流を深めたいと思います」と意気込みを語った。

　また、同じくブロック賞に輝いた、兵庫県立洲本実業高等学校　ソフトエネルギー研究ユニットは、宮城県石巻市の仮設住宅の集会所に、風車のエネルギーを活用した街路灯を３基設置するなどの活動が評価された。
　ユニットのリーダーを務める村上宙（むらかみ・そら）君（１８）は、「阪神・淡路大震災の時に、東北のみなさんに助けてもらったと聞いています。自分で今研究している、風車を使って、何か役に立てないか、と考えました」と話した。
　この風車による街路灯について、石巻市の仮設住宅の自治会から「明るい生活が送れている。ありがとう」という感謝の言葉をもらったという。その後も、問題なく自治会の敷地内を照らし続けている。
　村上君は「来年卒業ですが、東北に明かりをともすという活動は、後輩たちにも引き続きやっていってもらいたい」と、思いを込めて語った。

　今回、関西地区でブロック賞を受けた、京都市立伏見工業高等学校　工学探究コース、大阪府立堺工科高等学校　定時制の課程　堺工科エコプロジェクトなど４団体と智辨学園和歌山高の堀江風花さんは、12月16日（土）大阪市で開かれる全国表彰式に招待される。

◆第２１回ボランティア・スピリット賞　受賞者一覧