CAR T細胞療法はチーム医療だ!  医療従事者の情熱、患者さんの思いを伝えるドキュメンタリー動画を公開中

 

 日本人の2人に1人が、一生のうちに「がん」と診断されるという。がん治療に関する最新の情報を知っておくことは、万が一の事態に備え誰にとっても必要な行動と言えるだろう。

 「がん」は大きく分けて固形がんと血液がんがあり、後者は白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に分けられる。血液がんは、がん細胞が骨の中(骨髄)やリンパ節に点在し、ときには血液に紛れ込んで全身を駆け巡るため、固形がんと違って手術ですべて取り除くのは困難である。それゆえに、血液がんの治療はがん細胞を網羅的に攻撃できる化学療法(抗がん剤)が中心となる。

 残念ながら、患者さんによっては抗がん剤が効果を発揮するが、効果が乏しい(難治性の)場合も少なくない。また、抗がん剤によってがん細胞が減少したとしても根絶することは難しく、残ったわずかながん細胞が再び増殖して再発することもある。再発した場合は基本的に別の抗がん剤が用いられるが、再発・難治性の患者さんは後を絶たず、新しい治療法が常に必要とされている。

 そんな中、これまでの抗がん剤とはまったく異なる考え方の治療法があるのをご存じだろうか? その名は「CAR T(カーティ)細胞療法」。患者さん自身の免疫細胞であるT細胞を取り出し、がん細胞を攻撃する能力を与えてから患者さんの体内に戻す、いわばオーダーメイドの治療法だ。

病院内外のチーム体制構築と連携が必須

 バイオ医薬品企業のギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京)は、チーム医療の重要性の啓発を目的に、CAR T細胞療法に関わる医療従事者と患者さんのストーリーをまとめたドキュメンタリー動画を3本制作した。それぞれ、北海道大学病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、岡山大学病院におけるCAR T細胞療法の実態に焦点を当てている。3本の動画からわかるのは、CAR T細胞療法にはたくさんの工程があるということ、それに伴い病院内外の緊密な連携が必要になるということだ。

 例えば、医師だけでなく看護師や臨床工学技士、薬剤師、リハビリテーション技師、栄養士、事務スタッフなども含めると、医療従事者は100名をはるかに超える医療従事者が連携することもあるという。

 そこで重要になってくるのがチームワークである。病院内の医療従事者の連携はもちろんのこと、元の病院にいる主治医や看護師、さらにはT細胞やCAR T細胞の輸送業者、CAR T細胞を製造する製薬会社など、さまざまな関係者がスムーズな連携を取り、がんと闘う態勢を作り上げていく必要がある。動画で語られているように、「患者さんもチームの一員」として自覚を持ってもらうことが重要だ。

より多くの患者さんに届けたいという思い

 今回の3本の動画から伝わってくるのは、患者さんを大学病院に紹介した主治医によるCAR T細胞療法への期待、治療に携わった医療従事者の努力や情熱、実際にCAR T細胞療法を受けた患者さんの思いだ。

北海道大学病院編

順天堂大学医学部附属順天堂医院編

岡山大学病院編

 CAR T細胞療法のことを知らないという人は、これらの動画を見て、がん治療に関する重要な知識を増やすことをおすすめしたい。