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窪塚洋介「向き合いたくないし、二度と経験したくない」 人生どん底の瞬間は「某マンションから落っこちたとき」

 映画『Sin Clock』公開直前イベントが24日、東京都内で行われ、主演の窪塚洋介と牧賢治監督が登壇した。

 本作は、どん底の人生を生きるタクシードライバーたちが、思いもよらぬ偶然の連鎖に導かれ、幻の絵画を巡るたった一夜の“人生逆転計画”へ挑むさまをスリリングに描き出す犯罪活劇。

 タクシードライバーの高木シンジ役で18年ぶりの邦画単独主演を果たした窪塚は「本日は大寒波の中、ベッドから起きるのも嫌だったでしょうに、こんなにもたくさんのマスコミの方々に来ていただけたことに、トイレで少し泣きました」とあいさつして笑いを誘った。

 映画については「ズッコケ3人組みたいな話。坂口(涼太郎)くん、葵揚くんという2人の後輩俳優に本当に助けられながら作った映画なので『単独主演』とうたうのはちょっとおこがましいかな。でも、18年ぶりと聞くと、今まで何をやっていたんだろうなって。仕事はしていたのですが、(今は)驚きながら取材を受けています」と率直な気持ちを語った。

 映画にちなみ、「人生におけるどん底の経験」を尋ねられた窪塚は「ご存じの方もいると思うのですが、某マンションから落っこちてしまったことがありまして」と、2004年に自宅マンションの9階から転落したエピソードを回顧。

 「その瞬間がきっと一番、絶望的だったと思うのですが、それ以後も、地味に復活していくというか、復活という感じではなかったので」と振り返った。

 続けて、「真面目な話ですが、その過程にあった感情、まとっていた空気感だったり、そのときの光のない目。そこは自分としては向かい合いたくないし、二度と体験したくないものだけど、そのたんすの奥に突っ込んで忘れようとしていた感覚がこのシンジをやるのにとっても役に立ったと思う」とコメント。

 この作品を通して、「役者として新しいフェーズというか、ちょっと向こう側の景色もおぼろげながら(見えた)。そこまで変えていけたら面白いなと思えるきっかけになったので、とても良かったと思う」としみじみ語った。

 映画は2月10日から公開。