NHKの連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルで、世界的な植物学者の牧野富太郎博士が生まれ育った土地として注目を集めている高知県。森林率84%と日本一を誇り、清流・四万十川や仁淀川が流れ、草花や森林の宝庫だ。高知県は、そんな同県の魅力をより知ってもらおうと、大阪・阪神梅田本店1階「食祭テラス」で6月21日(水)から26日(月)まで、イベント「高知フードトリップ&牧野博士のボタニカルワールド」を開催。牧野博士について解説するパネル展や高知の自然から生まれた品々の販売を通し、「ボタニカルワールド高知」の魅力を発信する。期間中の10時~20時。
高知県立牧野植物園(高知市)監修のパネル展では、牧野博士の生涯を徹底解説。博士が残した数々の言葉とともに、植物に情熱を注いだ博士の人生を紹介する。博士が植物採集で訪れた高知県内ゆかりの地の観光パンフレット等も配布する。
高知の「食」も楽しめる。高知の自然から生まれたお茶や天日塩、土佐酒などを販売。そして、高知といえば「カツオ」。一本釣りカツオ漁の町・同県中土佐町久礼にある「久礼大正町市場」から「土佐久礼かつお」商品が届く。カツオのたたきのために開発された塩で楽しむ「土佐久礼かつおの藁(わら)焼き塩たたき丼」やカツオのハランボ(マグロでいう大トロ部分)の串など、本場ならではのカツオ商品を多数販売する。
生産者の来場も見どころ。天日塩職人の若手・田野屋銀象さんは、仁淀川河口の地下水をくみ上げ太陽の熱だけで塩を作る「完全天日塩」作りを続けている。手で海水を混ぜるだけで塩の結晶を操り、料理人の希望に合わせたオーダーメードの塩作りに取り組む田野屋さんが、6月24日(土)15時からのトークショーで仕事に懸ける思いを語る。「久礼大正町市場」で100年以上の歴史を誇る老舗鮮魚店「田中鮮魚店」の4代目・田中隆博さんは、30年余りのキャリアの中、プロでも見極めが難しい魚とされるカツオを約30万本さばいてきた「鰹ソムリエ」。6月21日(水)~23日(金)に店頭でカツオを販売する。
6月25日(日)17時からは、関西出身のキーマン2人が高知の魅力を語り尽くすトークショーも。大好きなサーフィンで高知に通ううちに高知とのつながりが生まれ移住した市吉秀一さんと、仕事で訪れる高知の魅力に気付き「高知本」を発行した編集者・藤本和剛さん。「京阪神エルマガジン社」(大阪市)の同僚だった2人が、経済だけを優先する社会ではなく、豊かな自然や独特の文化・人のつながりなど、未来に向けた一つのローカルモデルといえるコミュニティーが存在する高知の魅力について語り合う。
「関西ボタニカルトリップ」と題して、牧野博士が1933年開園当初から足を運んでいた「六甲高山植物園」(神戸市)と、12月27日(水)まで「長居植物園のMAKINO博」を開催中の「大阪市立長居植物園」(大阪市)の紹介コーナーを通し、牧野博士ゆかりの関西のスポットに思いをはせることもできる。