能力向上のためとして、会社の研修など人材育成プログラムを受講させられた人も多いはず。だが、実際に社員はどのように感じているのだろうか? エフェクト(東京)が、企業の中堅社員(30〜40代)1007人を対象に実施した「中堅社員からみた企業の人材育成の実態」に関する調査によると、社内の人材育成体制に対し、約6割の社員が自身の成長を感じられていないと思っていることがわかった。
人材育成体制に対し、成長を感じているかとの質問に対する回答の割合は、「とても感じている」が4.9%、「ある程度感じている」が34.3%、「あまり感じていない」が38.4%、「まったく感じていない」が22.4%となった。これに先立つ調査で、約6割の経営者・人事担当者が「適切な人材育成体制が構築できている」と回答していたものの、社員との間にはギャップがあるようだ。
「自身のスキル・能力向上のために会社にどのようなサポートを求めているか」との問いには、「キャリアアップのための自分だけの人材育成の計画」が34.8%、「研修前後のフォロー」が34.5%。これらの回答から、企業内の研修では社員一人一人に合わせたキャリア支援が必要なようだ。
実際の現場で研修の効果を実感したことがあるという人(348人)に、どのような効果を感じたか尋ねると、「段取り力が向上し生産力が向上した」(29.6%)、「関係者との連携がスムーズになり、生産性が向上した」(29.0%)、「工程管理がスムーズにできるようになった」(24.1%)がトップ3に。
一方、社内研修で効果が感じられずモチベーションが上がらなかったという人(317人)にその理由を尋ねると、「受講する目的が不明確だった」(47.0%)、「受講が義務的に感じた」(39.4%)、「どんな仕事に対して効果があるのかわからない」(36.0%)がトップ3という結果になった。
「今の業務には、どんなスキルを向上したいと考えているか」との質問で多かった回答は、問題解決力(35.4%)、決断力(22.0%)、時間管理力(19.2%)などだった。また、「企業研修で自身の成長や生産性向上のためにどのようなスキルが必要か(複数回答可)」と質問したところ、「問題解決能力開発」(29.1%)が最も多く、次いで「マネジメント研修」(23.9%)「セルフマネジメント研修」(21.8%)という結果になった。